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Channel: 初心者の果樹栽培|庭植え鉢植えで大収穫
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カリン 種からの育て方

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カリンは、果実から採った種を育てることができます、
ただし、花が咲くまで8年くらいかかります(画像:季節の花300)


実が収穫できるまでは、10年以上かかると言われています。
発芽し育てば幸いという気持ちで試してみることをお勧めします。


[カリン 種からの育て方]


■種の採取

カリンの実から、スプーンなどを使って
種を傷つけないように、取り出します。

取り出した種は、果肉を取り除いて、水でよく洗います。
洗った後は、キッチンペーパーなどで軽く水分をふき取り、
種の表面を乾かしておきましょう。


■寒さに当てる

一定期間、種に寒さを体験させると、発芽させることができます。
これはカリンを含めた、バラ科の植物に多い性質です。

寒さを経験させる方法としては、2種類あります。

・冷蔵庫に入れる
タッパーやビニール袋など、ある程度密閉できる容器を準備します。
容器に、ココピートや土、水苔などを、湿らせて入れ、種を埋めます。

フタを閉め、4度を保てる場所(冷蔵庫など)に入れて春を待ちます。
寒さに当てるのは、だいたい1か月~2か月ほどです。

この方法をとることで、寒くない時期に種を手に入れた場合、
疑似的に冬を経験させることができます。

種は土の中と同じ環境に置く必要があるため、
種に光が当たらず、適度に湿り気を保てる状態を作るようにします。

・自然に任せる
鉢やポットに土を入れ、そこに種をまきます。
その状態で、冬の間戸外に置くと、自然に冬を経験することができます。

置いておくのは日向でも問題はありませんが、土が乾燥しやすいので、
土が乾いた時、水を与えて乾かないようにしましょう。
発芽までは湿り気が必要です。


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花が咲いたら、もうすぐです


■種まき

冷蔵していた種を、春になったら鉢にまいてみましょう。
時期は3月~4月頃で問題ありません。

カリンは暑さにあまり強くないので、
夏場は避けて種をまく方が無難です。

地植えで育てる場合、育てる場所に直接種をまくより、
ある程度まで育つまで、鉢植えで育てた方が管理が楽になります。

鉢は4号~5号でじゅうぶんです。
鉢の底には鉢底石を敷いて、水はけを良くしておきます。

市販されている種まき用土や草花用の培養土を使います。
1粒まいて絶対に発芽するとは限らないので、
1鉢に3粒~5粒くらい、種が重ならないようにまきましょう。

種が隠れるくらいに土をかぶせ、
土を湿らせるように水をたっぷりと与えておきます。
発芽するまでは、土があまり乾燥しないように注意します。


■育苗

環境によって発芽までの日数は変わります。
2週間~1か月で発芽する場合もあれば、
なかなか発芽しない場合もあります。

中には、1年か2年経って発芽したという例があります。
発芽するまでは、水分のみ与えるようにし肥料は与えません。

・間引き
複数の種が発芽した場合、途中で間引きを行います。
発芽してすぐに間引く必要はありません。

本葉が5枚以上くらいになったら、
育ちの良いものを残して、あとは間引きます。

間引いた分も、保険として別の鉢に植え替えておきます。

・肥料
1年目は、無理に追肥をする必要はありません。
2年目以降は、春と秋に追肥をしましょう。
生長速度などを見ながら追肥することで、バランスよく育ちます。


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良い香りの実ができますように


■鉢増し

1年育ててみて、鉢の底から根が見えてきた場合は、
12月~4月までの間に、一回りか二回り大きい鉢に植え替えます。

その時に使う用土は、市販されている培養土か、
赤玉土6と腐葉土4をよく混ぜたものが適しています。


■植え付け

丈が50cm以上に育ったら、定植しましょう。
11月~12月か、3月~4月が植え付けの適期です。

一般的に、地植えより鉢植えのほうが、結実までが早くなります。
植え付けた後の管理は、普通の苗木を植え付けた後の管理と同じです。

■参考
・マルメロとカリンの違いは?
・カリンの育て方 庭植え|剪定での切り戻しがポイント
・カリンの育て方 鉢植え|初夏に針金をかけて栽培
・カリンの食べ方は?


マルメロとカリンの違いは?

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マルメロの花


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マルメロの果実


マルメロは中央アジアが原産のバラ科の耐寒性落葉果樹です。
ナシ亜科に属している、西洋ナシやリンゴやボケなどは、
近縁にあります。

黄橙色の果実は、甘酸っぱさと芳香が持ち味で人気があります。
生食としてそのまま食べずに、
加工した方がマルメロの良さを楽しめます。

ジャムやジュースや果実酒のほか、
さまざまな加工品を味わうのもよいものです。

寒さや暑さにも強く丈夫なため、家庭栽培にも好まれます。
木の姿や実は、カリンとよく似ていますがマルメロ属1種のみです。


■マルメロとカリンの違い

1.混同されている場合が多い
マルメロとカリンは同じ仲間なので、
一部の地方ではマルメロをカリンと呼ぶところもあります。

とくに長野県ではマルメロの栽培が多く、
カリンと呼ぶため混同されてしまっているのが現状です。

店頭でも違いを区別せずに販売されているので、
苗木を見ただけでは判断しにくいでしょう。

2.果実で見分ける方法
果実の外見で見分けるには、
表面に綿毛のようなものがあるかないかで見分けます。

マルメロの果実は、登熟するまで細かい毛で覆われています。
一方カリンの肌はつるっとしています。

果実の形にも違いがあります。
マルメロは洋ナシのような形をしており、
カリンは楕円形をしています。

3.葉と花で見分ける方法
マルメロとカリンは、葉や花にも違いがあります。
葉の縁を注意深く観察しましょう。

マルメロの葉には、細かいギザギザがあり、
葉の裏に白い毛が生えています。

花にも違いがあり、
マルメロは白~薄紅色の丸みをおびた、
花びらをもっています。
カリンの花色は淡い紅色です。

花がかすかに色づいて見える場合は、
違いが難しいかもしれませんが、
その場合は葉の形状や質感などで判別するとよいでしょう。

>>マルメロの育て方(庭植え)はこちらです
>>カリンの育て方(庭植え)はこちらです

カリンの食べ方は?

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「カリン」というとどんなイメージがあるでしょうか?
「のど飴」や「シロップ漬け」を思い浮かべるかたもいますね。

カリンの旬の季節は10月~11月頃です
カリンの果実に含まれているアミグダバリンという成分が、
咳や痰、ぜんそくなどの、のどの炎症によく効きます。

また、インフルエンザの予防にも効果的だといわれています。


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■カリンの食べ方は?

1.カリンの選び方
カリンのおいしい食べ方の前に、
まずはおいしいカリンを選ぶ時のポイントをご紹介します。

・色はムラがなく全体的にきれいな明るい黄色になっているものがよい

・まだ完熟していない=黄色になっているものがない場合は、
表面がスベスベしていてツヤがあり傷がないものを選ぶ

・手に持ったときにずっしりと重みを感じるものがよい

・香りが強いもの、独特の甘い香りがするものを選ぶ

2.追熟のさせ方と保存方法
まだ、完熟していないものは追熟をさせます。
カリンは冷蔵庫に入れる必要はありません。

新聞紙などに包んで風通しのよい場所に置いておき、
キレイな黄色に染まり香りがしてくるまで待ちます。

3.カリンの食べ方
カリンは皮も実も非常に硬く渋みもあるため、
生のままで食べることはできません。

完熟させたら加熱します。
カリンの代表的な食べ方は以下の通りです。

・カリンジャム
ペクチンを多く含んでいますので、ジャムには最適です。
加熱することによりトロミがでてきますし、渋みも消えます。
色もきれいなオレンジ色になりますよ。

毎朝、カリンジャムを食べると、
風邪をひきにくくなりますのでお勧めです。

・カリン酒
香りがとてもよいので、
カリンの果実酒は昔からとても人気があります。
お湯割りや炭酸割り、オンザロックでおいしくいただけます。
私も作ってみましたが、最高に美味です。
>>カリン 果実酒の作り方

・カリンシロップ(ハチミツ漬け)
お子様がいるご家庭にお勧めなのが、このカリンシロップ。
カリンとハチミツだけで完成します。
保存もできますので急なのどの痛みや咳などの時に重宝します。

そのほか、お菓子にいれたり、砂糖漬け、ゼリー、
お料理のソースにするなどの食べ方もあります。

ぜひ挑戦してみて下さいね。

■参考
・マルメロとカリンの違いは?
・カリンの育て方 庭植え|剪定での切り戻しがポイント
・カリンの育て方 鉢植え|初夏に針金をかけて栽培

カリン 盆栽の育て方

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カリンは果樹として昔から人気のある木ですが、
盆栽でも楽しむことができます


小さな盆栽に、大きな実がついている姿も面白く、
カリンの樹皮もとても魅力的です。

年月が経つと、カリンの樹皮は鱗のようにはがれていくため、
独特の模様を出してくれるようになります。

また、春にはピンク色の花を咲かせるので、
1株で3度も見どころのある盆栽となります。

根張りもよく、寒さに強く丈夫で、盆栽初心者の方にもお勧めです。


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花も木肌も美しいです


■カリン 盆栽の育て方

・栽培環境
風通しがよく、日当たりの良い場所で育てるようにします。
カリンは、もともと乾燥には強くありません。

盆栽となると土の容量が極端に少ないため、
乾燥を早める西日には当てないようにします。

耐寒性は強いのですが、寒風には当てないように注意します。

・植え付け・植え替え
植え付け・植え替えの適期は、
2月中旬~3月上旬か、9月中旬~10月中旬頃です。

その他の盆栽と、基本の植え付け方は同じです。
植え付けに使う用土は、赤玉土の単用が基本ですが、
赤玉土6と砂2と腐葉土2を合わせたものでも大丈夫です。

カリンは実と樹皮を楽しむ盆栽です。
どのような樹形に仕立てるとしても、
樹皮が美しく見える側を正面にして植え付けます。

カリンは根の生育が旺盛なため、
小さな鉢に植えている場合は、毎年植え替えるようにします。

少し大きな鉢に植えていても、2年に1回は植え替えるようにします。
植え替え時の根の整理は、思い切って行っても問題ありません。

・水やり
水切れしないよう、土の表面が乾いていたら、十分に水を与えます。
特に、結実した後に水切れを起こすと、実が大きく育たなかったり、
途中で落ちることがあるので、注意しましょう。

・肥料
2月と9月に、有機質の固形肥料を与えます。
窒素・リン酸・カリのうち、
リン酸とカリが少し多い肥料が良いです。

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小品盆栽 ミニ盆栽 カリン C)いよじ園 楽天市場店
いよじ園さまには、素敵な盆栽が多くあります


・剪定
・植え替え時の剪定
基本の剪定は、植え替えと同じタイミングで行います。
カリンは短枝に花芽がつくため、短枝を中心に残すようにします。

すでに花芽が確認できる枝は残すようにし、
前年に伸びた枝を2節~3節残して切ります。

下の方の枝は、3節~4節と、少し長めに残しておくと、
樹形が整いやすくなります。

その他、混み合っている部分の不要な枝などは、
付け根から切って整理するようにします。

・6月の剪定
6月頃、春に伸び始めた枝の生長が止まったら、また剪定を行います。
この時は、伸びた枝の先端を少し切り詰めておくようにします。

カリンは、幹の途中から発生する枝や、徒長枝が出やすいので、
もし見つけたら根本から切っておくようにします。

放っておくと、養分をとられてしまうだけでなく、
樹形も崩れ、風通しや日当たりが悪くなることがあります。

・摘果
カリンは実も見どころですが、
盆栽の場合、株に対してとても大きな実がつくことになります。

そのため、結実したものをすべて大きくしてしまうと、
株が疲れて樹勢が弱ることがあります。

小さな盆栽であれば、1個~2個、
大きな盆栽でも、4個くらいを目安に実を残すようにします。

結実した後、残す実を選び、他はすべて摘み取ります。
また、1か所に複数の実がついている場合は、
1つだけ残して、あとは摘果しておくようにしましょう。

■参考
・マルメロとカリンの違いは?
・カリンの育て方 庭植え|剪定での切り戻しがポイント
・カリンの育て方 鉢植え|初夏に針金をかけて栽培
・カリンの食べ方は?
・カリン 種からの育て方

マルメロの育て方 庭植え|袋かけで害虫被害抑えて

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マルメロの果実、芳香を放つ


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マルメロの花


マルメロ(Cydonia oblonga)とカリン。
果実がよく似ているので混同されがちですが、
マルメロはヨーロッパ原産で、カリンは中国原産です。

マルメロの果実は綿毛が生えていて、
カリンには毛がないことで区別できます。

マルメロとカリンの育て方は似ていますが、
カリンは自分の花粉で受粉しますが、
マルメロは自家結実性が弱いため、
収穫を確実にするには多品種の受粉樹が必要となります。

マルメロの果実は固いため生食できませんが、
果実酒や、ジャムやゼリーなどに加工されています。
カリン同様に、咳止めなどに効果があるとされています。


[マルメロ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
マルメロは寒さに強く丈夫で、
リンゴ同様に雨が少なく、夏涼しい気候を好みます。
暖かい地方では、樹や果実の育ちが悪くなってしまいます。

・品種選び
スミルナ、チャンピオン、オレンジなどの品種がお勧めです。
自分の花粉だけでは実をつけにくいので、
多品種を混植して人工授粉が必要です。


植え付け時期場所

・植え付け
接ぎ木の部分がしっかりしている苗を選び、
3月頃に植えつけます。

直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、
掘りあげた土の半分くらいの量に、
腐葉土または堆肥と油かすを混ぜて埋め戻します。
その上に何も混ぜていない土を埋め戻してから、
根を広げて植えつけます。

植えつけたら水をたっぷり与え、
50~60cmの高さで切り戻します。

・植え付け場所
日当たりがよく、水はけのよい場所に植えつけましょう。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
主幹形仕立てが一般的ですが、
マルメロは枝が広がりやすいので、U字形仕立ても行われています。
U字形仕立ては、主枝2本を左右に分けて、U字形に誘引します。

・剪定
剪定は1月~3月上旬に行います。
混んだ部分や下枝は元から切ります。

古い枝も元から切り、新しい枝に更新します。
新梢の先端は切り詰めます。
花芽をつけた結果枝も、先端を切り詰めます。

マルメロの花芽は新梢の先につき、
翌年に花が咲き、実をつけます。

・施肥
1月~2月、5月下旬、8月下旬に、
それぞれ緩効性化成肥料を施します。
多肥にならないように注意します。

・人工授粉
マルメロは、自分の花粉だけでは実をつけにくいので、
多品種の花粉で人工授粉をして収穫を確実にするとよいでしょう。

・袋かけ
6月下旬までに袋かけをします。
無袋栽培もできますが、袋かけによって、
シンクイムシの被害を減らすことができます。


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マルメロの蜂蜜漬け


・収穫
果実が緑色から黄色に変わり、
独特のよい香りがするようになったら収穫できます。
収穫は、植え付けから4~5年を目標とします。

>>マルメロの苗を見てみる

マルメロの育て方 鉢植え|品種選定で人工授粉なしでも結実

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マルメロの果実


マルメロの実はよい香りがするので、
室内に飾ると部屋がさわやかな香りにつつまれます。
また、花も美しいので、観賞用の鉢植えに向いている果樹です。

マルメロは自分の果実だけでは実をつけにくいですが、
スミルナなどの品種では、1本でも結実します。
ただし、他の種類のマルメロの花粉を、
人工授粉してあげたほうが、よく実がなります。


[マルメロ 鉢植え育て方]

植え付け時期場所

植え付け管理
3月に、水はけのよい土で植えつけます。
赤玉土(小)5:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜた用土か、
市販の培養土を使用するとよいでしょう。
植え付けたら鉢と同じ高さで剪定します。

冷涼で乾燥した気候を好むので、夏は日よけをします。

マルメロは自分の花粉だけでは実をつけにくいので、
収穫を確実にしたいなら、
他の品種の花粉で人工授粉をする必要があります。

実がなるようになったら、2~3年ごとに植え替えます。


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マルメロの花


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
主幹形が一般的です。
樹高は鉢の高さの2.5~3倍になるように仕立てます。

・剪定
前の年に伸びた新しい枝の先端を1/3ほど切り詰めます。
新梢を切り詰めることで、実をならせる短果枝を多く出させます。

枝が混み過ぎないように、混んだ部分は元から取り除きます。

・水やり
土の表面が乾燥したら、たっぷりと水を与えます。

・施肥
3月に、固形の有機質肥料を3~4粒施します。

摘蕾摘果
1株に2~3果となるように、
小さい実や虫害にあった実を摘果します。


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マルメロのシャーベット

>>マルメロの苗を見てみる

カキの育て方 庭植え|塩化カリで大きく甘い実を栽培

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カキの実りは秋を感じさせる


カキ(柿)は日当たりさえ良ければ、
土質を選ばず丈夫によく育つため、
古くから庭先に植えられ、親しまれてきた果実です。

甘ガキと渋ガキがあり、
渋ガキはヘタの部分に焼酎をつけて、
ビニール袋に1週間入れるなどして渋を抜く必要があります。
渋ガキは、渋抜きさえすれば、甘ガキ以上に甘くなります。

カキにはタネのある品種とない品種がありますが、
タネのある品種のほうが生理落果が少なく、多く収穫できます。


[カキ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
甘ガキと渋ガキがあり、甘ガキは関東以西、
渋ガキは東北以南で栽培されています。
暖かすぎても栽培がうまくいかず、
九州の北部が栽培の南限です。

カキは日当たりさえよければよく育つ果樹ですが、
その地域にあった品種を選ぶことが栽培のポイントです。
地域の特産品種はその地域の気候に合っているため、育てやすいです。

・品種選び
カキは雄花と雌花があり、雄花をつけない品種もありますが、
多くの品種では受粉しなくても果実が肥大・成熟します。
受粉しない場合は、種子が入りません。

甘ガキの場合は、受粉して種子が入らないと、
生理落果が多くなったり、
果実が大きく育たなかったり、渋くなったりします。

雄花が少ない甘ガキを栽培する場合は、
雄花を多くつける「西村早生」「禅寺丸」などを混植えしたり、
高接ぎしたりして、人工授粉すると収穫が多くなります。


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カキと雪


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カキのシャーベット


植え付け時期場所

・植え付け
カキの植え付けは12月に行いますが、
積雪が多い地方では3月に行います。

直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、
掘りあげた土の半量に腐葉土または堆肥と油かすを混ぜて埋め戻します。

その上に何も混ぜていない土を埋め戻してから、
根を広げて植えつけます。

このとき、細根を傷めやすいので根の剪定は行わずに、
できるだけまっすぐになるようにして浅植えにします。
植え付け後、高さ60cmほどの部分で切り返し、
支柱を立てて固定します。

・植え付け場所
カキは日当たりさえ良ければ土質はあまり選ばず、よく育つ果樹ですが、
有機質に富んだやや粘度がかった土を好みます。

樹勢が強く、大きくなりやすい果樹ですが、
「次郎」「あたご」「西村早生」などを選べば、
4m四方ほどのスペースで栽培できます。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
立木仕立てと垣根仕立てが一般的です。
垣根仕立てにすると、奥行きが1mほどの狭いスペースでも栽培できます。

・剪定
カキは幼木期の生長が遅いため、
幼木期はあまり剪定しないのがポイントです。

カキの剪定は、夏(6月中旬~7月上旬)と、
冬(12月~2月)に行います。

夏の剪定は、枝が混んできたら行います。
枝が混みあうと日当たりが悪くなるので、
徒長枝や、実のない枝で、
他の枝の邪魔をしているものを取り除きます。

冬の剪定は、枝を減らして養分を集中させるために行います。
枝が混みあった所や、不要な部分を整理します。

取り除く枝は、平行して伸びている枝や、
ハサミ状になっている枝の一方、
まっすぐ上に向かって伸びている枝、
弱い枝、強すぎる枝などです。

先端が枝分かれしていたら、1本を残して他は元から切ります。
また、残した1本の先端は切り詰めておきます。
それ以外の枝の先端は切り詰めません。
カキは枝の先端に花芽がつくからです。

・施肥
収穫後のお礼肥として、
乾燥鶏糞、油かす、化成肥料、硫酸カリの複合肥料を施します。
また、カキはカリを多く必要とするため、
8月下旬~9月に塩化カリを施すと、大きく甘い果実が実ります。

摘蕾摘果
すべての花を咲かせると樹に負担がかかるので、
5月中旬頃に摘蕾を行います。
1枝に雌花が1~2花になるように、
他の雌花は摘み取ります。

枝の元から2~3番目辺りの、
ヘタのよく発達した、下向きか横向きの雌花を残します。
花を摘み取るときは、横に倒すようにすると簡単に取れます。

受粉に必要なので、雄花は摘まないようにします。
ガクが小さいのが雄花、ガクが大きいのが雌花です。

6月下旬~7月上旬には、摘果を行います。
1枝に1果、または葉20~25枚に1果を目安にします。

・収穫
オレンジ色に色づいたものから、ハサミで収穫します。

>>カキの苗を見てみる


カキの育て方 鉢植え|2鉢栽培して毎年収穫

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まだ青いカキ


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カキの結実


鉢植え用のカキはありませんが、
盆栽でよく使用されるロウヤガキは、
食用になりませんので、注意してください。

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ロウヤガキ


鉢植えのカキの場合、結実は1年おきになりやすいので、
2鉢育てると毎年果実を楽しめます。


カキ 鉢植え育て方

植え付け植え替え

植え付け管理
カキの植え付けは3月に行います。
6~7号鉢以上の深鉢を用意し、
鉢に入る大きさに合わせて太い根を切って植えつけ、
鉢と同じ高さで切り戻します。

植え付け直後は、乾かないように表土にマルチングをしておきます。
最初は樹の生長を優先し、収穫は3~4年後からにするとよいでしょう。

結実してからは、収穫した翌年の3月に植え替え、
その年は樹勢を回復させるために実をつけさせないようにします。

植え替え時には、弱った根や傷んだ根を取り除きますが、
このとき、土を落としすぎて根を傷めないように注意します。


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吊るし柿


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
模様木風に仕立てるのが一般的です。
梅雨の時期の、また新梢がやわらかいうちに、
針金をかけて樹形をつくるとよいでしょう。

・剪定
鉢の高さの2.5~3倍くらいで芯を止めます。

剪定は1月~3月上旬に行います。
春枝と、梅雨以降に伸びた夏枝の間くらいで切り戻し、
側枝も切り戻して伸ばしていきます。

夏(6月中旬~7月上旬)の剪定は、
枝が込み合っているところを切って、整枝します。

・施肥
1月~2月の寒肥、開花前の5月上旬、
収穫前の8月下旬の年に3回、
玉肥を4~5個、鉢の縁に埋め込んであげます。

摘蕾摘果
5月中旬に摘蕾をします。
1枝に雌花3個を目安に、弱い蕾をかき取ります。

6月下旬までに生理落果が起こるので、
6月下旬~7月上旬に摘果を行います。
1枝に1個、1鉢2~5個を目安にします。
病害虫に侵されていない、ヘタの大きな実を残しましょう。

・収穫
果実がオレンジ色に色づいたら、収穫できます。
収穫は果実がオレンジ色に色づいた頃に行います。
果実をいつまでも樹上につけておくと、
養分が使われて、樹勢が弱くなるので、
葉が落ちてしまう前に収穫を終えるようにします。

「太秋」など品種によっては、
熟すと条紋とよばれる黒い筋が入るものがあります。
市場では見た目が悪いと敬遠されますが、
実は甘く熟した証拠なのです。

>>カキの苗を見てみる



カキの渋の抜き方

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甘柿の代表=次郎柿


カキ(柿)は甘ガキと渋ガキと2種類あります。
甘ガキは温かい地域、渋ガキはやや寒冷な地域が栽培に適しています。
迷った時は地元の品種を選ぶと育てやすいです。

歳時記に柿の花は夏、柿紅葉や柿そのものは秋と
昔から日本人の生活で季節を感じさせてくれる庭木です。
庭のシンボルツリーとしても楽しめます。


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渋柿のほうがおいしい干し柿になるそうです


■カキの渋の抜き方

1.カキの渋みについて
カキの渋みはタンニンという物質が引き起こしています。
渋抜きの作業は、このタンニンを取り除くわけではありません。

舌が渋みを感じないようにタンニンを不溶化し、
渋く感じるのを防ぐことです。

渋ガキに炭酸ガスやアルコールをかけると、
カキの中にアセトアルヒデドという成分ができます。
この成分がタンニンとくっついて水に溶けなくなります。

2.渋抜きの方法
カキの渋を抜く方法には、アルコール、炭酸ガス(CTSD法)、
樹上・包装脱渋法などがあります。
またドライアイスを使って渋を抜く方法もあります。


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まわし柿はシャーベットにしても美味しいです


3.まわし柿(さわし柿)の作り方
家庭で一番簡単にできるのは、アルコール脱渋法です。
一般に、まわし柿(さわし柿)という方法で
35%以上の焼酎かエチルアルコールを用意します。

渋柿を収穫したらヘタ部分が乾燥しないうちにします。
カキは、タオルなどで汚れをとりサッと磨きます。

これを平たいトレイや盆などに入れて、
ヘタの部分にアルコールを2ccほどたらします。
皮についてしまった焼酎は柔らかい布やティッシュでそっと拭きます。

ビニール袋に入れて空気を抜き封じて、
直射日光が当たらない20℃前後の室内で、
1~2週間置きます。
ヘタが茶色くなったころに味見をして渋が抜けたかを確認しましょう。

とっても甘くて美味しいカキになっています。
熟れすぎていたら凍らせてシャーベットすると美味です。

■参考
カキの育て方 庭植え|塩化カリで大きく甘い実を栽培
カキの育て方 鉢植え|2鉢栽培して毎年収穫

サクランボの育て方 庭植え|仕立て方と剪定に気を配り栽培

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サクランボ、見ても食べても楽しめる


サクランボは別名を桜桃(おうとう)ともいいます。
太宰治の小説『桜桃』でも有名ですね。

サクランボといえば山形が有名ですが、
東北地方中部以北などの寒冷で春に雨の少ない気候を好みます。

暖かい地方でも育てられますが、
巨木化して実をつけにくくなるので、
小さく育てる鉢植えの方が適しています。


[サクランボ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
サクランボはリンゴほど耐寒性は強くないのですが、
涼しく、春に雨の少ない気候を好みます。
暖かい地方では、巨木化して、実をつけにくくなってしまいます。

・品種選び
生食用の甘果種と、砂糖漬けなどに用いる酸果種があります。
お勧めの品種は、下記の通りです。

甘果種...ナポレオン、佐藤錦、高砂
酸果種...ノーススター、メテオール

自分の花粉では受粉できないことが多いため、
多品種を混植するか、多品種を高継ぎする必要があります。


植え付け時期場所

・植え付け
12月か3月に植え付けます。
苗木は、節間のつまった、しっかりしたものを選びます。

乾燥気味を好むので、植え付けの前には、
植え穴を大きめに掘って、堆肥を多めに混ぜておきます。
根をよく広げて植え付け、たっぷりと水を与えます。

植え付け以降は、特に水やりは必要ありません。
50~60㎝あたりにあるよい芽の上で剪定します。

・植え付け場所
サクランボの根は過湿に弱いため、
排水がよく、通気性に富んだ土壌に植え付けましょう。

巨木化しやすいため、3~4m四方程度のスペースを確保します。
日当たりが良いことも重要です。


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サクランボの花も愛らしい


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
立木仕立てが一般的ですが、巨木になりやすいので、
適切に剪定をしてなるべく小柄に育てます。

コンクリートブロックなどで根が広がるのを制限する、
「根域制限」をしてもコンパクトになります。

・剪定
剪定は1月下旬~2月に行います。
サクランボは、太い枝を剪定すると、
切り口がふさがりにくく、腐りやすいので、
最初から主幹形に枝を作ります。
また、むやみに枝を切らないようにします。

3年目までは主幹の先と、重なりあった部分を剪定します。
4年目以降は、古い枝は枝元から切り、
新しい枝を伸ばすようにします。

6月下旬~7月中旬、実の収穫が終わったら、枝の整理をします。
混みあって日当たりが悪くなったところを透かすように剪定します。

・施肥
収穫後の7月下旬、お礼肥として化成肥料を施します。
落葉後の11月~12月にも元肥として、
また3月に春の肥料として化成肥料を施します。
窒素分が多いと裂果しやすいので、春の肥料は少なめにします。

・受粉
受粉木が近くにあったり、他品種を高継ぎしてあるなら、
受粉は虫媒に任せて良いでしょう。
ただし、天候が悪い場合は、念のため人工授粉します。

摘蕾摘果
1つの短果枝群に2~3果になるように摘果します。
摘果の時期は、満開から20日目前後です。

・収穫
開花後50~60日で熟します。
1果そう内でも1果ずつ熟すので、熟したものから順次収穫します。

果梗のもとをつまみ、枝の方向や横向きに引いて収穫します。
実のなっている方向に引くと、短果枝全体がちぎれてしまうので、注意します。

果実は雨に当たると割れてしまうため、
ビニールシートなどで雨よけの工夫をするとよいでしょう。

>>サクランボの苗を見てみる

サクランボの育て方 鉢植え|おいしい実は隔年収穫で栽培

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サクランボ、食べごろ♪


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サクランボの花から実の付き方がわかります


サクランボはリンゴほどではありませんが、
涼しい気候を好みます。

関東以南の暖かい土地で栽培すると、
大木になりやすいので、
鉢植えの方が栽培しやすいです。


[サクランボ 鉢植え育て方]


植え付け時期場所

植え付けと管理
苗木は3月に、6~9号鉢に植え付けます。
サクランボの根は過湿に弱いので、
水はけのよい用土を使用します。

赤玉土(小)6:腐葉土3:川砂1の割合、
または市販の培養土を使用するとよいでしょう。

角度をつけて植えつけ、鉢の高さと同じ高さで切ります。
主幹と、残す側枝を切り詰め、ほかの枝は付け根で切ります。

根詰まりを起こさないよう、
1年おきに根鉢を1/3ほど崩して植え替えます。

休眠から覚めるためには、
いったん7度前後の寒さにあわせる必要があるので、
冬は屋外の軒下などに置き、寒さに当てます。

収穫は1年おきにすると、実がおいしくなります。

サクランボは自分の花粉では結実しないことが多いので、
多品種と混植したり、人工授粉をしてあげましょう。


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サクランボのつぼみ


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サクランボでお菓子作りも楽しいです


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
模様木風に仕立てます。
針金かけで枝を誘引するなら、6月~7月に行います。

・剪定
剪定は1月~2月に行います。
枝が主幹から交互になるように剪定します。

内側に伸びる枝は、元から切り落とします。
そのほか、弱い枝、細い枝、まっすぐ伸びる枝や、
混んだ部分を切ります。

鉢の3倍くらいの高さになったら、芯を止めます。

・水やり
乾燥気味に管理するのが良く、
水は土の表面が乾燥してからたっぷりと与えます。

ただし雨には弱いので、雨の当たらない、
日当たりの良い場所で管理します。
真夏は半日陰に置きます。

・施肥
毎年3月頃に玉肥を3~4個、
鉢の縁に埋めてあげましょう。

>>サクランボの苗を各種見てみる

サクランボ 肥料の時期は?

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佐藤錦の実り


サクランボ、見ているだけで愛らしい果物ですが、
栽培は、意外と難しく上級者向けです。

繊細で病害虫に弱いことと、
天敵である鳥に食べられてしまいますので、
管理がとてもたいへんなんですね。

だからこそ収穫できたときの嬉しさも大きいです。
「難しいからこそ面白い」ということで、
挑戦する家庭菜園者さんたちも多くいます。


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花も品がありますね


■サクランボ 肥料の時期は?

1.サクランボの元肥
サクランボの植え付けは地域によって異なりますが、
だいたい11月下旬頃からの秋植えとなります。

サクランボの木の根は浅いので、
水はけがよく空気の通りのよい土を好みます。


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肥料の加減が結実を良くします


サクランボは肥料を施しすぎると木はよく成長しますが、
実がなりにくくなりますので注意が必要です。

EMボカシ、有機質肥料、石炭などを適量施します。
石炭は、植物が養分を吸収を助ける働きがありますので、
一株につき一握りほど散布しておくと良いでしょう。

また、サクランボはホウ素欠乏をおこしやすいので、
ほう素(カルシウム)肥料もいっしょに散布します。

2.サクランボに肥料を施す時期
庭植えの場合は2~3月と11~12月に、
鉢植えの場合は、小さい苗のうちは毎年3月頃に玉肥を3~4個、
大苗になったら、2月、5月、10月に肥料を施します。
有機質肥料が最適です。

はじめのうち、若い木にはチッ素成分を少なめに与えます。
6~8月の新枝の成長が止まる時期に花芽がでてきます。

この時期に肥料を施しすぎると、
花芽ができにくくなりますので肥料は少なめにします。

水切れを起こしても花芽ができませんので、
水切れにならないように注意が必要です。

3.肥料を施すときの注意点
サクランボは秋肥を効かせることがポイントです。
また、カリ成分が効きすぎると、
糖度が低くなり色も悪くなるので注意が必要です。

4.収穫後は?
収穫時期は5月~6月頃となります。
収穫したあとは、速効性の化成肥料を施しておきましょう。

サクランボは、肥料は必要ですが、
肥料の与えすぎが問題になることが多いです。
基本的には元肥がメインで大切です。

■参考
・サクランボの育て方 庭植え|仕立て方と剪定に気を配り栽培
・サクランボの育て方 鉢植え|おいしい実は隔年収穫で栽培

佐藤錦の育て方

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育て方がやや難しい佐藤錦


[佐藤錦の育て方]


■暖地では育てにくい品種

サクランボの品種として人気のある佐藤錦ですが、
佐藤錦が好む温度は、年間平均気温が7度以上14度以下と言われます。

耐寒性はあるのですが、夏に涼しい気候を好むため、
暖地では栽培が難しいとされています。

暖地に植え付けたからといって、すぐに枯れるわけではありません。
佐藤錦は休眠から覚めるまで、
7度以下の低温に1450時間当たる必要があります。

暖地では、気温が下がるのが遅く、上がるのが早いため、
この1450時間に満たないことが多いのです。


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さくらんぼ園(佐藤錦)


他にも開花時期に高温になると、極端に開花が遅れたり早まったり、
生理障害を起こして結実しにくくなります。

開花しても不完全花で受粉できなかったり、
開花期が受粉木の開花と大幅にずれてしまい結実しにくいです。

佐藤錦は性質がデリケートな部分も多く、
万全の環境で育てる必要があるため、暖地には向かないのです。

暖地でどうしてもサクランボを育てたいという場合は、
暖地サクランボという品種があるので、そちらを検討してみましょう。

暖地サクランボの場合は、自家受粉が可能なので、受粉木は不要です。


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佐藤錦の花、授粉樹を育て、人工授粉をすれば結実が良くなります


■受粉木が必要

サクランボの多くの品種が自家受粉できないように、
佐藤錦も自家受粉できません。

そのため、受粉木として別品種のサクランボを育てる必要があります。
佐藤錦と相性が良い木は、
「ナポレオン」や「高砂」「香夏錦」などの品種です。

サクランボの木を2本も育てるのは難しい場合は、
佐藤錦のみを地植えにし、受粉木を鉢植えにして、
コンパクトに育てると、スペースを減らすことができます。

佐藤錦と受粉木の両方を鉢植えにして育てることも可能です。


■人工受粉をする

本来であれば、虫が受粉を手伝ってくれるのですが、
ベランダで育てているなどして、虫があまりいない環境の場合は、
自然に受粉するのが難しいことがあります。

佐藤錦と受粉木の花が咲いたら、
筆や綿棒などを使って、人工受粉をしましょう。

最も受粉率が高くなるのは、
水鳥の羽毛でできた毛ばたきを使うことです。

また、五分咲きの時期と、満開の時期と、
2回の人工受粉させることで、受粉率が上がります。

庭で育てていて、比較的虫の飛来が期待できる場所でも、
人工受粉をすることで、受粉が確実になります。


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サクランボの赤ちゃん


■病害虫や鳥から守る

佐藤錦はとても繊細なサクランボのため、
害虫に葉をかじられただけでも調子を崩すことがあります。

時期に合わせて、病害虫を防除の薬剤を使うと、かなり軽減できます。

また、実がついて熟す頃は、鳥などに狙われやすくなります。
できるだけ薬剤は使いたくないという場合は、

サクランボの木をネットでできた小屋などに入れたり、
不織布や防虫ネットをかぶせて防除するようにしましょう。

■参考
・サクランボの育て方 庭植え|仕立て方と剪定に気を配り栽培
・サクランボの育て方 鉢植え|おいしい実は隔年収穫で栽培
・サクランボ 肥料の時期は?

サクランボの誘引は?

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サクランボは、一般的に開心自然型や扇状型に仕立て、誘引します


[サクランボの誘引は?]


サクランボの木は、剪定や誘引などをせず、放任すると、
伸びたいだけ伸びて、どんどん大きくなってしまいます。

上へ上へ伸びてしまっては、手入れがしにくくなってしまいますし、
花が先端にしか咲かないなど、不都合が出てきます。

花や実を楽しむのであれば、剪定は不可欠な作業ですが、
それとともに必要なのが誘引の作業です。 

誘引することで、以下のようなメリットがあります。


■サクランボの誘引のメリット

・上へ伸びようとする枝を平行にすることで、低く抑えられる
・剪定や花摘み、芽摘み、摘果などの作業がしやすくなる
・養分が枝全体に広がり、充実した花芽を作るようになる
・枝と枝との間に隙間ができ、日照が確保できる

この中でも、充実した花芽を作るのは、
サクランボの実を楽しむためには、とても大切なことです。

サクランボには頂芽優勢という性質があります。
これは上にある芽に養分が集まりやすくなる性質ということです。

枝が上に伸びやすいサクランボは、
頂芽優勢の性質のため、枝の先端の芽だけが充実してしまいます。

これを誘引して枝を平行にすることで、
枝についているすべての芽に、養分を回すことができるのです。

樹高がまだ低く、誘引しなくても管理に問題がなかったとしても、
できれば誘引して枝を平行して仕立てておきましょう。


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果樹は水平誘引をするものが多いです


■誘引の道具

誘引をするためには、株の樹高や枝の太さによって、必要な道具が変わってきます。
まだ若い木であれば、枝も細いため、弱い力をかけるだけでも誘引できます。

ところが、成熟して何年も経っているサクランボの木であれば、
枝も太く強くなっているため、軽い力では誘引しきれないことがあります。

生長具合によって道具を使い分けることで、
枝の力に負けない誘引をすることができます。

・支柱
サクランボの木がまだ小さいうちや、鉢植えで育てている時に便利です。
太さも、細いものから太いものまであるので、ある程度までであれば対応できます。

支柱自体が枝の力に負けて折れる、ということはほとんどありませんが、
曲げている枝が戻ろうとする力がかかり、支柱が地面から抜けやすくなります。

長い間同じ場所に支柱を挿していると、
風などを受けて揺れたりして、差し込んでいる穴が少しずつ広がってきます。

穴が広がると、どうしても抜けやすくなるので、
穴が広がっていたら、土を寄せて固めるか、新しい場所に挿し直しましょう。 

また、地面に斜めに挿して使いますが、
完全な平行の状態を作るのは難しいため、誘引後も、枝はやや上向きになります。

・杭
地面に打ち込んで、枝に結んだ紐を固定するためのものです。
杭は、それほど大きいものでなくて構いません。

少し平たい棒状の木片を地面に打ち込み、そこに紐を結ぶだけ構いません。
枝に結んだ紐を巻きつけられて、地面から抜けにくい状態を作れればいいのです。

木片では枝の力に負けて抜ける場合は、金属製の螺旋杭を使います。
螺旋杭とは、ビニールハウスの基礎などに使われる資材で、
名前の通り金属がらせん状に曲げられている杭です。

らせん状になっている部分を土に差し込むことで、
真上に引っ張る力に対して、かなり強くなります。
他にも、テントを留めておくペグという道具も使えます。

・テープ、紐
支柱と枝を留めたり、枝に結んで杭とつなぐために使います。
テープは普通の粘着テープではなく、誘引用の紙テープを使うと、
枝にも優しいのでおすすめです。


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誘引すると収穫量が格段に良くなるので試してみてください


■誘引する時の注意点

テープや紐で枝を結ぶ時は、
サクランボの芽に干渉しないように注意します。
花芽のある部分に紐などがすれると、芽を傷めてしまい、芽が落ちることがあります。

芽のある部分から少しずらして使うようにしましょう。
また、紐やテープをきつく締めすぎると、枝が思うように太れなくなります。

紐の部分だけくびれたようになり、
その部分の養分や水分を通す管も細くなってしまいます。

その後のサクランボの生育に影響することもあるので、誘引する時は、
少しゆとりがあるように結ぶようにしましょう。


■参考
・サクランボの育て方 庭植え|仕立て方と剪定に気を配り栽培
・サクランボの育て方 鉢植え|おいしい実は隔年収穫で栽培
・サクランボ 肥料の時期は?
・佐藤錦の育て方

ウメの育て方 庭植え|自家受粉品種で栽培を楽に

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ウメ(梅)は厳しい寒さに耐え、
いち早く花を咲かせて春の訪れを告げることから、
「百花の魁(さきがけ)」とよばれ、
多くの人々に古来から愛されてきました。

奈良時代以前は、「お花見」といえば、
サクラではなくウメだったそうです。
今でも、湯島天神や隅田公園など、
ウメの名所があちこちにあります。

ウメは花を愛でるだけでなく、実は梅干に加工され、
私たちの生活になくてはならないものになっています。
寒さに強く、栽培はそれほど難しくないため、初心者にもお勧めです。


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ウメは花も楽しめる


[ウメ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
日当たりが良く、通気性と水はけの良い、肥沃な土壌を好みます。
日陰で湿気が多い場所では、徒長枝が多くなり、
花芽もつきにくくなるので避けます。
冬暖かい地方では実つきが悪くなりますが、
全国で育てることができます。

・品種選び
ウメは、同じ品種の花粉では受精しないものが多いので、
自家受粉する品種を選ぶと管理がたいへん楽です。
自家受粉する品種には、甲州最小、竜峡小梅、花香実などがあります。

自家受粉しにくい品種では、
相性の良い別の品種のウメを混植する必要があります。
梅干用梅で名高い南高や豊後は、自家受粉しにくい品種です。


植え付け時期場所

・植え付け
ウメの苗は冬に出回るので、購入したらすぐに植えつけましょう。
一般的に1月~2月が適期ですが、寒冷地は2月~3月に植え付けます。
接ぎ木部分がしっかりとしていて、
丈夫そうな苗を選ぶことがポイントです。

・植え付け場所
ウメは、品種にもよりますが、
剪定をしないでいると樹高が6~10mにもなります。
ある程度の広さのある場所に植えつけましょう。

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。


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ウメの実の熟していく色も美しいです


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
主幹の長さを60~90cmとして、主幹から出ている主枝を2~4本に立てる、
樹形の開心自然形仕立てが最も一般的な仕立て方ですが、
ある程度の広さを必要とします。

主幹形仕立ては、主枝から出る強い側枝を剪定しますが、
主枝の処理が悪いとどんどん上へ伸びていってしまうので、注意します。

・剪定
ウメの剪定は、夏季(6月~7月)と冬季(12月~1月)に行います。

夏季の剪定では、木の内側の徒長枝を間引いたり、
混みあっている部分の枝を根元から切って、
日当たりと風通しを良くします。

冬季の剪定では、混みあった部分の枝を切り、
新梢は先端を1/3程度切り返すと、短果枝ができて、
実を多くつけるようになります。

・施肥
元肥として、植え付け時に有機質肥料や堆肥をすき込んでおきます。
その後は、花が終わった後の3月~4月と、収穫後の7月~8月に、
遅効性の化成肥料や有機質肥料を追肥として与えます。
10月になったら、株から50cmほど離れたところに、
堆肥や有機質肥料をすき込みます。

・受粉
ウメには、自家受粉する品種と、自家受粉しにくい品種があります。
南高や豊後、白加賀など、自家受粉しにくい品種の場合は、
相性の良い他品種を混植します。

花と花を直接つけて受粉する、人工授粉を行うと、確実に受粉します。

・適蕾と適果
結実数が多すぎると実が大きくならないため、
余分な果実を摘果します。
4月までにある程度の数が生理落果する(自然に落ちる)ため、
それが終わった4月下旬~5月上旬頃に摘果します。

5~10cm間隔に1果を目安に摘果します。
傷があったり、病虫害の影響があるもの、形の悪いものを除き、
できるだけ大きな実を残すようにします。

小梅の場合は摘果する必要はほとんどありません。

・収穫
6月中旬~下旬が収穫期です。
利用目的に応じて、収穫期を調整します。

梅酒用にはまだ硬く青い段階で収穫し、
梅干用には黄色く色づき始めたものを収穫します。

>>ウメの苗を見てみる


アンズの育て方 庭植え|人工授粉で結実を確実に栽培

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アンズの結実


アンズ(杏)は平安時代から日本人に親しまれてきました。
原産地の中国では、タネが漢方薬の材料として利用されています。

淡紅色の花は3月下旬に開花し、梅に次いで咲く早春を告げる花です。

果実はジャムや果実酒、ドライフルーツに加工されますが、
完熟した果実は生食してもおいしいです。



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アンズ酒は、香りが良く美味


[アンズ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
アンズは寒さに強いため、
北海道北部と東部以外の日本各地で栽培できます。
リンゴと同じように雨に弱く、やや乾燥した気候を好みます。

適切に剪定しないと大きくなりすぎるため、
あまりスペースの無い場所に植えるときは、
コンパクトに仕立てましょう。

・品種選び
アンズは自分の花粉で実をつけますが、
実つきを確実にするには人工授粉をします。

開花期が同じアンズの多品種がベストですが、
同じバラ科サクラ属の果樹である、
ウメ、スモモ、モモの花粉も利用できます。
ただし開花期が少々ずれるため、
受粉のタイミングが合わないこともあります。

品種は、目的に合わせて選びましょう。
家庭栽培向きなのは下記の4品種です。

・信州大実...大きな実をつけます
・平和...大きな花が美しく、実つきが良いです
・ゴールド・コット、ハーコット...裂果しにくく、生食・加工の両方に向きます


植え付け時期場所

・植え付け
アンズの植え付け時期は、
関東以南では12~2月頃、関東以北では3月が適期です。

根を四方によく広げ、深植えにならないように植えつけます。
周囲に溝を作り、水をたっぷりと回し入れます。
下から50~60cmあたりにある良い芽を選んで、
その上で切り返します。

・植え付け場所
湿気の多い肥沃な土地を好みますが、水はけが良いことも大切です。
日当たりと風通しの良い場所に植えつけましょう。

樹高はやや高くなるため、
庭木としては横庭や裏庭などに適しています。
コンパクトに育てても、5m四方程度のスペースが必要です。


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杏の花は形も匂いも良い


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
3本仕立ての立木仕立てが一般的です。
太い枝にウメやモモを高接ぎして楽しむこともできます。

高接ぎとは接ぎ木の一種で、
1本の樹に多くの品種の果実をならせることができます。
高接ぎの方法には、次の2種類があります。
・切り接ぎ...枝を切断して、その切り口に枝を挿します
・腹接ぎ...枝の途中に芽を接ぎます

・剪定
剪定は12月中旬~2月に行います。
アンズは2年目の枝に花を咲かせるため、
実をつけた古い枝は切って、新しい芽が伸びるのを助けます。

昨年伸びだした新梢は先端1/3ほど切り詰め、短果枝を発生させます。
まっすぐに伸びている徒長枝や、混んだ部分の枝は切り取ります。

夏(6月中旬~7月中旬)に軽く整枝します。
枝が込み合い、葉が茂ってきたら、
混みあった所を整理して風通しを良くします。
徒長枝や株の内側に向かって伸びている枝、
細く弱い枝などを取り除きます。

・施肥
アンズはあまり肥料を必要としない果実ですが、
12月に、株から50cmほど離して、
株を取り囲むように深さ20cmほどの溝を掘り、
有機質肥料などを施します。

また収穫後の7月頃に、お礼肥として液肥を施します。

・受粉
アンズの多くは自家受粉をしますが、
確実に実をならせるためには人工授粉をしたほうがよいです。
多品種のアンズの花や、モモ、スモモ、ウメなどの花を直接つけて受粉します。

摘蕾摘果
アンズの花は美しく、花も楽しめるため、
摘蕾はしなくてもかまいません。
そのかわり、開花後1ヶ月ほどたって、
実が小指の先くらいの大きさになったら摘果を行います。

1ヶ所にたくさんついているところを中心に、
小さい実や傷んだ実などを取り除き、
最終的に果実の間隔が7cmほどになるようにします。

・収穫
開花後85日くらいたち、
皮全体が黄色になった頃が収穫期です。

>>アンズの苗を見てみる

アンズの育て方 鉢植え|剪定で収穫を増やす

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アンズの豊かな実り


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アンズ、愛らしく良い香り


アンズは英語名をアプリコットといいます。

アンズは生食用では市場にあまり出回りません。
このように、なかなか売っていない果実を、
生で食べられるのが、家庭果樹栽培の醍醐味ですね。

アンズは自家受粉しますが、
ウメやモモ、スモモなどをそばに植えておくと、
さらに実つきが良くなります。

アンズの花は美しいので、
鉢植えにすると屋内で花と香りを楽しめます。


[アンズ 鉢植え育て方]

植え付け時期場所

植え付け管理
アンズの苗木は3月に植え付けます。
用土は赤玉土6:腐葉土3:川砂1の割合、
または市販の培養土が良いでしょう。

水切れには強いですが、過湿には弱いので、
乾燥気味に管理し、水は土の表面が乾燥してから、
たっぷりと水を与えます。

実がなるようになったら、1年おきに植え替えます。
植え替え時には根を1/3ほど切り詰め、
翌年は実をつけさせずに枝葉の生長を促します。


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アンズのショコラパン


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
模様木風に仕立てます。

・剪定
植え付け時は、鉢の倍の高さで切り戻し、
伸びた枝を7月頃に針金で下げます。

翌年の冬(12月~1月)、主幹と、主枝にする枝2本を残し、
その他の枝はもとから切ってしまいます。
主幹と主枝の先端は、1/3ほど切り詰めます。

実がなるようになったら1年おきに植え替え、
最終的に鉢の大きさは10号に、
樹高は鉢の高さの3倍程度となるようにします。
アンズの鉢植えは隔年結果になりやすいです。

・施肥
早春(2月)と秋(10月下旬)に、玉肥3~4個を埋め込みます。

・収穫
収穫は全体で6~10果程度になるよう、摘果します。

>>アンズの苗を見てみる

アンズの剪定方法は?

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アンズの花と実、どちらに重きをおくかで剪定が変わります


アンズは剪定の時期や方法を間違うと実がならないことがあります。
正しいアンズの剪定方法はどのような方法なのでしょうか? 


■アンズの剪定方法は?

1.アンズの性質
アンズは葉芽と花芽が別々で、新梢は葉芽から発生します。
アンズの花芽はずんぐりとした形をしています。

アンズの花芽は、前年の夏に新梢の根元に作られます。
春に新梢が伸びて根元に花芽が作られ、
冬を越して春に開花し、実をつけるというサイクルです。

アンズの花は葉が伸びる前に咲き、桜のように美しいものです。
花を楽しむのであれば、たくさん花が咲いている方が嬉しいです。

しかし、大きくて味の良いアンズの実を楽しむためには、
アンズの花は多すぎてはいけません。

アンズの剪定の方法は、
花を楽しむのか実を楽しむのかによって、
少し方法が違ってきます。

2.花を楽しむ剪定方法
アンズの花を美しく咲かせるためには、
葉がしっかりと茂り、栄養を蓄える必要があります。

花を楽しむ剪定は、12月中旬~2月に弱剪定を行います。
夏季に枝が混んでいる場合、間引き剪定を行います。

夏になるとアンズの葉がたくさん茂ってきますが、
このとき、葉を剪定しすぎないようにします。


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実が美しく、ジャムや果実酒で楽しめます


3.実を楽しむ剪定方法
アンズは10㎝程度の短い枝にたくさんの実がなります。

剪定は、短い枝をたくさん出させるようにします。

剪定時期は落葉時期の冬、12月中旬~2月がよいでしょう。
勢いよく伸びた徒長枝を根元から切り落とします。 

夏、茂りすぎている部分は、軽く間引き剪定します。

また、古い枝にも実が付きません。
3年以上たった古い枝は切り落としましょう。

4.アンズの仕立て方
アンズは高木に育ちます。

高くなりすぎてから先端を切り詰めると、樹を傷めてしまいます。
早くから、3~4m程度にとどめるように管理していくとよいでしょう。
仕立て方は、変則主幹形がむいています。


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模様木仕立て


5.鉢植えの剪定
アンズを鉢植えで育てるのであれば、樹の高さは鉢の3倍までにします。
高すぎると倒れやすくなるためです。

鉢と同じ高さで一度切り詰め、模様木仕立てにします。
その後は、徒長した枝や3年以上たった古い枝を切り落とす、
間引き剪定を落葉期に行います。

■参考
・アンズの育て方 庭植え|人工授粉で結実を確実に栽培
・アンズの育て方 鉢植え|剪定で収穫を増やす
・アンズ 実がならない

アンズ 実がならない

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アンズの実、いい香りです


■アンズ 実がならない

1.花が咲かない
アンズの実がならない理由の1つとして、
花が思うように咲かないということがあります。

花付きが悪くなる原因はいくつかありますので、
あてはまるものがある場合は、原因を解消してあげましょう。

・日照不足
アンズは日当たりの良い場所を好みます。
高い建物や壁があることで日照が制限される場所では、
花付きが悪くなることがあります。

また枝葉が茂って、枝が混んでくると部分的に日が当たりにくくなり、
株の中心部分に花が咲かなくなることがあります。

例え花が咲いて結実したとしても、日照不足により、落果することもあるので、剪定の時期に間引き剪定などをして、株の中心まで日が入るようにしておきましょう。

・剪定の問題
アンズは前年に伸びた枝から出る短い枝に花をつけます。
そのため、前年に伸びた枝を切りつめてしまうと、
花をつける枝が伸びないため、物理的に花を咲かせられない状態になります。

剪定をする時は、勢いのある徒長枝や混みすぎている場所の不要な枝、
すでに実をつけたことのある枝は根元から切ったり短く切り詰めるようにし、
花芽がつく予定の枝は、先端を軽く切り詰めるのみにしましょう。

・窒素過多
与える肥料の窒素分が多いと、枝葉ばかりが茂ってしまい、
花芽がつきにくくなることがあります。

アンズは短い枝に花芽がつきやすく、
節の間隔の広い勢いのある徒長枝には、花が咲きにくい性質があります。

窒素を多く与えると、徒長枝を多く出させてしまう原因になるので、
窒素は控え目に与えるようにしましょう。


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授粉樹があると、実がよくつきます


2.受粉不良
花は咲いても、受粉がうまくいかなければ実は育ちません。
受粉不良になる原因を把握しておきましょう。

・受粉木がない
アンズは自家受粉できる果樹ですが、
1品種だけでは受粉不良を起こす場合があります。

その場合は、育てているアンズのすぐ近くに、
受粉木を植えることで解消できます。

同じアンズの別の品種を植えるか、
ウメ・モモ・スモモを受粉木として植えることもできます。

・受粉できない
受粉木を近くに植えたとしても、
受粉の手伝いをしてくれる虫がいなければ、満足な受粉は難しいです。

ベランダなど虫のいない環境でなくても、
人工授粉をすることで受粉の成功率を上げることができます。

育てているアンズとその受粉木、それぞれの開花期がずれている場合は、
先に開花した花粉をビニール袋などに入れ、冷蔵庫で保存することができます。

アンズの花が咲いたら、袋の中の花粉を筆などにつけて人工受粉を行います。

■参考
・アンズの育て方 庭植え|人工授粉で結実を確実に栽培
・アンズの育て方 鉢植え|剪定で収穫を増やす

スモモの育て方 庭植え|剪定と摘果がおいしい果実栽培のコツ

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スモモが鈴なり 


スモモはモモの仲間ですが、
モモよりも小さくて酸味が強く、
爽やかな味が魅力のフルーツです。

セイヨウスモモはプルーン、
日本スモモはプラムのことを指します。
ここでは、日本スモモ(プラム)の育て方について、
ご説明していきます。

スモモは酸味がやや強いため、
酸味が苦手な方はジャムやシロップ漬にすると、
おいしく食べられます。

また、完熟スモモは本来甘いのですが、
出荷時に完熟すると日持ちが悪いので、
市販されているものはやや未熟な状態で早どりされています。

完熟スモモの甘い風味を楽しめるのは、
家庭果樹園の醍醐味ですね。


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スモモの花も可憐


[スモモ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
スモモは過湿に弱く、3月下旬~4月中旬の開花期と、
8月下旬~9月上旬の収穫期に雨が少ない地域が栽培に向いています。

日当たりが良く、風通しの良い場所が適しています。
また、開花期に霜にあたると実がなりにくくなるため、
この時期に晩霜がおりる地域はスモモの栽培に適していません。

過湿を嫌うので、水はけの良い砂質の土に植えましょう。

・品種選び
スモモは自家受粉しない品種も多いため、
粉樹を植えるスペースがない場合は、
自家受粉品種を選ぶと良いでしょう。
「サンタローザ」「メスレー」「ビューティー」などが自家受粉します。
「ソルダム」「太陽」「大石早生」などは、自家受粉しません。

スモモはウメやアンズでも受粉するので、これらと混植してもよいでしょう。


植え付け時期場所

・植え付け
12月~3月頃に植えつけます。
苗木は根を水につけて十分吸水させてから、
折れている根や太い根を切り詰め、根を広げて浅植えにします。
支柱を立てて支えて、高さ60cm位で切り戻し、
新梢がよく伸びるようにしてあげます。


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スモモ園


・植え付け場所
日当たりのよい、風通しのよい場所に植え付けます。
過湿を嫌い、水はけのよい砂質の土を好みます。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
立木仕立てや棚仕立て、主幹仕立てが一般的です。
コンパクトに仕立てるのなら、横に開帳しやすい品種を選んで、
棚仕立てにしてもよいでしょう。

・剪定
スモモの剪定は、12月~2月に行います。
込みあった部分の枝や、徒長枝をを間引き、
日当たりと風通しを良くします。 

長く伸びた枝は、先端1/3くらいを切り返し、
花芽をつくる短果枝を多くつくるようにします。
短果枝は、弱ったものを間引いて更新します。

・施肥
12月~1月頃に、冬肥として有機質肥料を施します。
窒素分が多いと花芽がつかなくなるので注意します。

収穫後に、お礼肥として肥料を施します。


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摘蕾と摘果で良い実を収穫しましょう


摘蕾摘果
スモモは、ひとつの花芽に花が3つ咲きます。
花が咲いてから約1ヵ月後に、1回目の摘果を行います。

上向きに実がついているものや、
発育不良の果実、病虫害果などを取り除きます。

さらに20~30日後、2回目の摘果を行います。
最終的に、小果の品種は5cm間隔に1果、中果は8cmで1果、
大果は10cmに1果程度にしましょう。

・袋かけ
7月下旬以降に果実が成熟する品種では、
虫の害や裂果を防ぐため、5月下旬頃に袋かけをします。

・収穫
早生なら6月中旬、晩生種は9月中旬が収穫期です。
果実が色づいて、軟らかくなるまで完熟させてから収穫します。 

収穫が早すぎると、酸味が残ります。
せっかくの家庭果樹園ですので、完熟の甘味を楽しみましょう。

>>スモモの育て方 鉢植えはこちらです

>>スモモの苗を見てみる

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