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アブラムシ 生態と防除

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aburamusi003.jpg
アーモンドについたアブラムシ


アブラムシは、アリマキ(蟻巻)ともいいます。

国内のアブラムシは700種類以上いるといわれています。
この中で害となるアブラムシは30種類ほどいます。


[アブラムシ 生態と防除]


■アブラムシの生態

アブラムシは主に吸汁性の害虫です。

アブラムシの被害には、直接的な被害と間接的な被害があります。 
直接的被害は吸汁被害で、
間接的被害は吸汁が原因でウィルスに感染したり、
アブラムシの排泄物に病原菌が繁殖したりします。

アブラムシは特定の植物にだけ寄生する種類や
多くの植物に寄生する種類など様々ありますが、
どの植物にも複数の種類のアブラムシが寄生することが多いのです。

またアブラムシは種によって寄生する部位にも違いが見られます。

アブラムシは幼虫も成虫も加害します。
成虫の体長は3mm前後で、体色は濃い緑~淡い緑、赤系、黒、
茶系など変化に富んでいます。

1体を肉眼で判断するのは難しい害虫ですが、
幼虫や成虫が入り混じって群棲(コロニーを形成)しているので、
個体群として見つけやすい害虫です。

アブラムシの加害部位は、植物体地上部であればどこでも寄生しますが、
主に新梢、新葉や花蕾などに群がって汁液を吸収します。

ウメなどに寄生すると、葉が巻いたり、
サクラ、ウメ、モモなど果樹に寄生すると、寄生部位にコブができたり、

葉が縮れたり、葉が巻いたり葉が枯れるなどして
大発生するとさらに被害が大きくなります。

アブラムシの発生しやすい条件は、晴れ間が続いて雨の少ない年ですが、
暑すぎる時期は数が減る傾向にあり、種類にもよります

梅雨明け後の暑くなりかけた乾燥した時期や、
初秋の暑さがひと段落した乾燥した時期に多発する傾向があります。


aburamusi (1).jpg
多発する前に駆除したいです


■アブラムシの形状

アブラムシは翅のあるタイプを有翅型、翅のないタイプを無翅型とに分けます。

無翅型胎生雌虫と幼虫は、葉上で群棲寄生します。
アブラムシの群棲を見つけたときに、見られる形態です。

無翅型のアブラムシは単性生殖でしかも胎生なので、
増殖率は他の害虫よりも抜きんでています。

有翅型胎生雌虫は季節が変わって寄主植物を換えるときと
群棲が過密になって分散が必要になったときに現れます。

アブラムシは卵態か成体で越冬して春まで過ごします。

寄主植物を季節的に変える移住型のアブラムシがほとんどですが、
寄主植物を変えない非移住型の種もいます。


aburamusi001.jpg
アリとアブアムシは共生しています、アリがたくさんいたらアブラムシもいるとのことです


■アリとアブラムシ

アブラムシの蟻巻は当て字です。
アリマキは蟻の牧場という意味があります。
この意味からも推察できますが、
アリがアブラムシを飼っているように昔の人は思えたのでしょう。

アリはアブラムシの甘い排泄物をもらいに来ます。
アブラムシは排泄物をアリに与える代わりに、
天敵のテントウムシをアリに追い払ってもらいます。 

このアリとアブラムシの関係のような
異なる生物種が同じ場所で生活することで、
互いの利益になる関係を、「相利共生の関係にある」といいます。


namitentou.jpg
近日、園芸仲間でナミテントウが好まれています


■アブラムシの天敵

アブラムシの天敵は
テントウムシ(ナミテントウ)だけではありません。

カゲロウの幼虫やヒラタアブ、オンシツツヤコバチなどの、
寄生蜂などもいます。


■アブラムシの防除

アブラムシは寄主植物が多い害虫で雑草や果樹にも寄生します。
果樹が抵抗力を備えるよう元気に育てるのが、一番ですが、
防除法も試してみてください。

・除草
雑草は繁殖源になりうるので、こまめに除草します。
除草したり抜き取った植物は、放置せずに早めに処分します。

大量発生後の防除は手遅れなことがあります。
発生初期に徹底防除を行います。

・黄色、シルバーを使う
有翅型アブラムシは鮮やかな黄色が大好きなので、
黄色い粘着テープを利用して捕殺します。

アブラムシは太陽光が苦手です。
太陽光を反射するシルバーマルチシルバーテープなどを、
利用して寄り付かせないようにします。

・コンパニオンプランツを植える
太陽光だけでなく、アブラムシには苦手な植物もあります。
アブラムシの苦手な植物を果樹の側にコンパニオンプランツとして、
植えて寄せ付けない方法もあります。

アブラムシの苦手な植物は、
ガーリック、月桂樹、バジル、チャイブ、フレンチマリーゴールド、
ミント、レモンバーム、ローズマリーなどです。 

どの植物をコンパニオンプランツとするかは
果樹の大きさやコンパニオンプランツの特徴(一年草、宿根草)などを、
考慮して決めていきます。

・牛乳スプレー、木酢液、「粘着くん」などを使う

もしも農薬を使用するときは、説明書をよく見て、安全に使います。


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