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Channel: 初心者の果樹栽培|庭植え鉢植えで大収穫
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ネーブルオレンジの育て方 庭植え|夏と冬の栽培管理がコツ

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ネーブルオレンジの結実


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ネーブルオレンジの大敵


ネーブルオレンジは、果頂部に"へそ"があるのが特徴です。
果肉は甘く、香りがいいですが、皮はむきにくいです。

ネーブルオレンジの庭植え栽培は、
夏の遮光と冬の防寒対策がポイントです。


ネーブルオレンジ 庭植え育て方

栽培条件品種選び方

栽培条件
ネーブルオレンジは高温で雨の少ない気候を好みます。
ウンシュウミカンの栽培が可能な地域で、
夏の西日と冬の寒風を防げれば、庭植えで育てられます。
よく日のあたる場所で栽培しましょう。

最低気温が-3~4℃以下になる地域では、庭植えには向きません。
栽培適地は、南関東以南です。

・品種選び
「白柳」「森田」「吉田」「鈴木」などの品種は、
日本で改良された品種で、早生オレンジの代表種です。


植え付け時期場所

植え付け
冬でも暖かい、陽だまりのようなところで、
夏の西日と冬の寒風を防ぐような場所に植え付けます。

ネーブルオレンジは3月~4月、寒さが去った頃に植え付けます。
直径・深さ共に50cmほどの穴を掘ります。
掘り出した土の半量に、同量の堆肥と鶏糞、ヨウリンなどを混ぜ、
埋め戻した後、残りの土を埋め戻します。

苗木は根鉢の1/3ほどを崩し、長い根は切り詰め、
根を水につけて十分水を含ませておきます。
根を広げるようにして、深植えにならないように植えつけます。

支柱を立てて苗を固定し、高さ50~60cmに剪定します。
周囲に水鉢を作り、たっぷりと水を回しいれます。



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ネーブルオレンジのマーマレード美味


仕立て方剪定から収穫まで

仕立て方
樹高のあまり高くない「主幹形仕立て」や、
「半円形仕立て」に仕立てるとよいでしょう。

主幹形仕立ては、主枝を横に誘引し、
樹高2~3m、枝張り1.5~2mほどに仕立てます。

半円形仕立ては、主枝2本を水平に誘引し、
主枝から出る枝は自然に伸ばします。

剪定
ネーブルオレンジの剪定は、
発芽前の2月~3月が適期です。
花芽は新梢の先端部につくため、切り替えし剪定は行わず、
間引き剪定を中心に行います。

施肥
ジューンベリーの剪定は、1月~2月に行います。
3月、6月、11月上旬に、配合肥料を施します。

受粉
ジューンベリーの剪定は、1月~2月に行います。
ネーブルオレンジは自分の花粉で受粉するため、特に人工授粉をする必要はありませんが、他の品種の花粉を受粉すると、実つきがよくなります。

摘蕾と摘果
ジューンベリーの剪定は、1月~2月に行います。
80~100葉に1果程度になるように、7月下旬頃に摘果します。

袋かけ
ジューンベリーの剪定は、1月~2月に行います。
寒さによる落果を防ぐために、冬の寒波が来る前に袋かけを行うとよいでしょう。

収穫
ジューンベリーの剪定は、1月~2月に行います。
早生のネーブルオレンジの仲間は、
12月中旬~1月にかけて熟しますが、
2月中旬~3月上旬まで実を成らせておくと、
糖度がぐ~んと増します。

>>ネーブルオレンジの苗を各種見てみる


ブッシュカン「仏の手」を育てて開運できます

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Buddha's hand.jpg


ブッシュカン、(仏手柑、Buddha's hand)おもしろい形で、
果実からは良い香りがします。
果実の先が手の指のように見えるところから、
「仏陀の掌」「フィンガード・シトロン」、
などと命名されました。

10~11月になると、関東から九州地方では、
ブッシュカンが、実り始めます。
ブッシュカンは、ミカン科ミカン属の常緑樹です。

ブッシュカンは、インド東北部が原産です。
幸運をもたらす縁起の良い樹とされています。

果実の実が少なく酸っぱいので生食には向かず、
砂糖漬けにしたり乾燥させて漢方薬にしたり、
生け花、正月飾りや盆栽などにもちいられます。

鹿児島県指宿市十二町の増元浩二さんの果樹園では、
露地に栽培し、今年2011年は一挙に20個も実り、
20cmもの大きさになって、話題を集めているそうです。
http://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=36149

人気のブッシュカン関東以南の地域で、
北風が当たらない場所で栽培します。
鉢植えでも栽培できますので、
少し寒い地域でもだいじょうぶです。


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色づいていくブッシュカン


詳しい栽培方法と苗木の購入は、
>>花ひろばオンライン

スダチ・カボスの育て方|7月に間引き剪定して栽培

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スダチの実


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カボスの実


スダチ・カボスはすっぱい酢ミカン類で、
料理に添えられ風味を味わいます。

スダチもカボスも耐寒性は比較的高く、
カボスは関東より西の地域で、
スダチは東北南部以西で庭植えが可能です。

カボスはユズの近縁種で、大分県の特産です。
果実は緑果で、100~150gになります。

スダチは徳島県の特産です。
果実は黄色く色づき、1果は30~40gと、
カボスよりやや小さいです。

カボスもスダチも自家受粉するので、1本だけで収穫が可能です。


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スダチの花、カボスと似ている


スダチ・カボス育て方

植え付け時期場所

植え付け管理
カボスもスダチも、3月下旬~4月が植え付けの適期です。
明るい日陰で、水もちの良い土壌に植えつけます。

寒風に当たると落葉するので注意します。


仕立て方剪定から収穫まで

仕立て方剪定
カボスもスダチも自然と開張形になるので、
7月に間引き剪定で混み合ったところの枝をすかす程度にします。

長い枝は切りつめて、短枝を出させるようにします。

施肥
3月に溝を掘り、有機質肥料を施すことで、
充実した春枝を出させます。
収穫後の10月下旬には、2割ほど骨粉を混ぜた油かすを、
お礼肥としてたっぷり施します。

収穫
カボスは7月頃から、収穫を兼ねて摘果をします。
9月頃の風味が最高です。

スダチは10月下旬まで樹上に残しておくと、黄色く色づきます。

鉢植えの場合
カボスもスダチも、3月下旬~4月に6~8号鉢に植えつけます。
実がつくようになったら、1年おきに植え替えます。
自然形かスタンダード仕立てにします。

水切れを起こさないように注意します。
室内におく場合は、乾燥が激しいので、
穴あきのビニールをかけるとよいでしょう。

>>スダチの苗を見てみる
>>カボスの苗を見てみる

キンカンの育て方 庭植え|3月上旬に剪定して栽培

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キンカンの結実


キンカン(金柑)は中国原産のカンキツ類です。
丈夫でよく育ち、低木性なので家庭栽培に向いています。

キンカンの実はビタミンC、B1、B2が豊富で、
カンキツ類のなかで最も栄養価が高いといわれています。
果実はハチミツ漬けや甘露煮などにします。
古くから、のどの痛みや咳止めに効果があるとされてきました。

キンカンはウンシュウミカンと同程度の耐寒性がありますが、
果実は霜に当たると凍害をうけるので、
関東以西での栽培に適ています。

キンカンは自分の花粉で受粉する、
自家結実性があるため、1本でも結実します。


キンカン 庭植え育て方

植え付け時期場所

植え付け
キンカンは、3月~4月に植え付けます。
水はけ、水もちがよく、
強い風が当たらないような場所を選びます。

植えつけたら、高さ40~50cm程度で切り返します。


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キンカンのつぼみ


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キンカンの花


仕立て方剪定から収穫まで

仕立て方剪定
キンカンの木は樹高1.5m程度におさまり、
横にもあまり広がらないので、手をかけなくても自然にまとまります。
変則主幹形、ほうき仕立てなどがよいでしょう。

細い枝が密につくので、3月上旬に、
混み合った部分の枝を間引き剪定し、
樹の内部にまでよく日が当たるようにします。
>>柑橘類の剪定 図解

施肥
3月に有機質肥料を、6月と10月~11月に緩効性化成肥料を施します。


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キンカンの新芽


摘蕾と摘果
キンカンの花は四季咲きの性質をもっていて、
夏(7~8月頃)、秋(10月頃)の2回咲きます。
秋の花は結実させないようにすべて摘蕾し、
株を疲れさせないようにしましょう。

夏の花が結実したら、摘果します。
1ヶ所にいくつかまとまってつくので、
大きな1~2果を残して摘み取ります。


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大実キンカンの実りです


収穫
キンカンの収穫は、11月下旬以降に、
果皮が濃い黄橙色になった頃に行います。

■参考
・キンカンの育て方 鉢植え|品種選びと防寒対策で大収穫
・キンカンの種類は?
・キンカン 実が落ちる理由は?
・キンカンの肥料
・キンカン 種の育て方
・キンカン 植え替え時期

>>キンカンの苗を見てみる

キンカンの育て方 鉢植え|品種選びと防寒対策で大収穫

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キンカン、嬉しい実り


キンカンは、葉も実も美しいので、栽培しがいがあります。
古来から盆栽など観賞用としても人気があります。
黄色い小粒の実は、甘い香りも楽しめます。

キンカンの実は栄養価が高く、果皮ごと食べられます。
果肉よりも果皮のほうが甘いのが、特徴です。


キンカン 鉢植え育て方

植え付け時期場所

品種選び
ほとんど種のない、「ぷちまる」が人気です。
「ぷちまる」は、やや長実種で、7月~8月に開花し、
秋から冬にかけて暖かいと実が大きくなるので、
防寒しやすい鉢植えが育てやすいでしょう。

植え付けと管理
キンカンの鉢植えは、3月~4月に植え付けます。
5~6号鉢に、根鉢を1/3ほど崩して植え付けます。

用土は、赤玉土(小)6:腐葉土3:川砂1の、
割合で混合した用土がよいでしょう。

先端は1/3ほど切り戻し、
混み合っている部分は間引き剪定します。

1年おきに植え替えます。
根鉢を崩して、一回り大きな鉢に、
新しい用土で植え付けましょう。


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キンカンの苗 C)ガーデン ストーリー


仕立て方剪定から収穫まで

仕立て方剪定
混み合ったところを間引くと、自然にまとまります。
キンカンの剪定は、3月上旬、7月頃に行います。
>>柑橘類の剪定 図解

水やり
表面の土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまで、
たっぷりと水を与えてください。

摘蕾摘果
キンカンは、夏と秋の2回開花しますが、
秋の花を結実させると樹が疲れ、
翌年の実つきが悪くなるので、早めに取り除きます。

夏の花は、全体で8~10果を目安に、摘果します。

施肥
春(3月)、夏(7月下旬)、秋(9月下旬)に玉肥を鉢縁に埋めます。
夏は春の半分、秋は更にその半分の量にします。


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キンカンの甘露煮も美味


収穫
11月下旬以降、果皮の色が濃い黄橙色になったら、収穫できます。
目安は、開花後150日程度です。
「寧波金柑」は12月、「ぷちまる」は1月が収穫期です。

■参考
・キンカンの育て方 庭植え|3月上旬に剪定して栽培
・キンカンの種類は?
・キンカン 実が落ちる理由は?
・キンカンの肥料
・キンカン 種の育て方

>>キンカンの苗を見てみる

キンカン 実が落ちる理由は?

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キンカンの実、落ちてしまうのは何故でしょう?


キンカン(金柑)の木を育てていて、
実はつくのに、小さいうちに落ちてしまうことがあります。

キンカンの実が育たずに落ちてしまうのはなぜでしょう。


■キンカン 実が落ちる理由は?

1.開花期の気温の問題
キンカンの露地植えの旬は、1~3月とされます。
けれど、キンカンは春、夏、秋の年に三回開花時期があります。
開花した花は、蜂やアブによって花粉が運ばれ、結実します。

開花時期の気温が高く、乾燥していると、
受粉が上手く行かないことが多いようです。

もし受粉が上手く行き、結実したとしても、
実の生長が途中で止まってしまい、落果してしまいます。

また、開花時期の気温が低い時は、
花が充分に成熟せずに咲いてしまい、
受粉が上手く行かず、結実しにくいことがあります。


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キンカンは、よく花を咲かせますね


2.栄養不足のため
キンカンは夏に一番多く花をつけます。
夏の開花は6月末ごろから始まります。

キンカンの白い花は開花後4~5日咲続け、10日後には新しい花をつけます。
このようなサイクルで、8月ごろまで次々と花を咲かせます。

夏の花の前にも春に花が咲き、実をつけます。
春に咲いた花は、実の数は少ないのですが、実は大きくなります。

春に咲いた花に実をつけると、
夏の花の実は限られた栄養分を取り合うことになります。

栄養分を取ることができなかった実は、
残念ながら、小さいまま、落果してしまうのです。

ですので、追肥は必ず与えましょう。

庭植えは、3月に有機質肥料を、6月と10月~11月に緩効性化成肥料を、
鉢植えの場合は、春(3月)、夏(7月下旬)、秋(9月下旬)に、
玉肥などを鉢縁に埋めます。 

夏は春の半分、秋は更にその半分の量にします。

3.植え替え時に根を傷めた
キンカンを植え替える時に根を傷めてしまうと、
株はまず根を修復する為にエネルギーを費やします。
そのため、実に送られる栄養分が足りなくなり、落果しやすくなります。


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大きくて美味しいキンカンの実を落とさないコツがあります


◎実を上手にならせるには?
次々と咲く花をすべて結実させると、
どうしても栄養分が足りなくなってしまいます。

春に咲いた花が実をつけると、
数が少ないのに実が大きくなるのに時間がかかり、
木の栄養を取られてしまいます。

春に咲いた花には結実させず、夏の花に集中して実をつけるようにします。
春に咲いた花に実が付いたときは、摘果してしまいます。

夏に咲いた花の実を育てるようにし、
秋に咲いた花にも実をつけないようにします。

夏の花は数が多く、7月上旬に咲いた花は実らず落果しやすいですが、
その後に咲いた花に着果させると、実も大きくなり、味も良いです。 

ある程度、結実させる実をコントロール=摘果したほうが、
おいしい実をたくさん収穫できます。

■参考
・キンカンの育て方 庭植え|3月上旬に剪定して栽培
・キンカンの育て方 鉢植え|品種選びと防寒対策で大収穫
・キンカンの種類は?

キンカンの種類は?

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食用、観賞用などあります


「キンカン」は、ミカン科キンカン属に分類される常緑低木の果樹です。
皮ごと生食しても、甘くてとてもおいしいですが、
甘露煮やジャム、シロップ、果実酒の材料としても人気です。

キンカンシロップは風邪やのどの痛みによく効きます。
栄養面でも非常にすぐれているといわれるキンカン、
初心者でも栽培しやすい果樹ですので、庭木、鉢植えとしてオススメです。

■キンカンの種類は?

キンカンの種類の中で生で食べられるものは、
ネイハキンカン・マルキンカン・ニンポウキンカン・プチマルなどが人気です。

◎ネイハキンカン・ニンポウキンカン・メイワキンカン
1.2~2mほどに生長し、寒さや病害虫に強い品種として知られています。
かわいらしい花からはとてもよい香りがし、
育てやすいことから初心者にもオススメの品種です。

果重は11~13g。
品質がよく生食用に市販されているキンカンのほとんどがこちらです。
宮崎県名産の「たまたまきんかん」などのブランドもこの品種です。

◎マルミキンカン・マルキンカン
2mほどに生長します。枝は分枝が多く、若い枝には刺があることがあります。
夏から秋にかけて3~4回小さな白い花をつけ、その後2cmほどの緑色の実をつけます。

初夏の花は実をつけないことが多いです。
晩秋から冬にかけて8g程度の黄色く熟した実を収穫します。


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花も綺麗で育てがいがあります


◎ナガキンカン・ナガミキンカン
2mほどに生長します。
果実は長球形で、果重10~12g。枝にはほとんど刺はありません。
種子数が少なく生食用として栽培されます。


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◎プチマル
農水省育成のタネなし品種で、
ナガキンカンと四倍体ネイハキンカンを交配した三倍体です。

ごく小さなタネがあることもありますが、
基本的にはタネなしのため果実はやや小さめとなります。
タネがないため子供や女性に人気の品種です。


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福寿キンカン C)楽天市場


◎fukuzyu(チョウジュキンカン)・オオミキンカン
果実が大きく果重30~40g。観賞用でしたが改良が進み美味しいです。
ビタミンが多く、丸ごとそのまま食べれます。
福寿金柑とも呼ばれ、縁起良い果樹としても人気です。

◎マメキンカン
1gほどの果重で観賞用です。とくに小品盆栽に利用されています


さまざまな種類がありますので、
自分の好みのキンカンを見つけて購入するといいですね。

■参考
・キンカンの育て方 庭植え|3月上旬に剪定して栽培
・キンカンの育て方 鉢植え|品種選びと防寒対策で大収穫
・キンカンの種類は?
・キンカン 実が落ちる理由は?
・キンカンの肥料
・キンカン 種の育て方

キンカンの肥料

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キンカンにはいつ、どのような肥料を?


[キンカンの肥料]


キンカンは木の大きさの割にたくさんの実をつける果樹です。
そのため、肥料不足になると生理落下が多くなったり、
残った実も思うように大きくならないことがあります。

与える肥料は時期によって少し変わります。
また、与える肥料のメーカーや株の育ち具合によって、
与える肥料の適量は変わります。

必要以上に肥料を与えてしまうと、肥料焼けを起こしてしまい、
根が傷んだり最悪は枯れてしまうこともあります。

肥料のパッケージの裏などに与える目安が記載されていますので、
よく確認しておきましょう。

もし不安な場合は、少量から試してみるようにします。
その時期の生長に合った肥料を与えることが重要ですので、
ぜひ参考にしてください。


■春肥 新芽や新しい根を動かす

春はそれまで休眠していた芽や根を動かし始める季節です。
芽や根を動かすためには、やはり養分が必要です。

春になり、きちんと芽や根が、
しっかりと育つために与える肥料が春肥です。

時期は3月下旬~4月中旬までの間です。
与える肥料は、できれば有機質のものがいいでしょう。

化成肥料であっても、ゆっくりと効果が出る緩効性のものを選びましょう。
最近では、柑橘の肥料や金柑の肥料、果樹の肥料などといった、
専用の肥料も便利です。

ただし、この時期は即効性の肥料よりも、
緩効性のものの方が効果的です。

使用する肥料がどのような効果のあるものかを、
必ず確認してから与えるようにしましょう。


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キンカンの花


■夏肥 株全体を育てる

春に新梢が伸び、花が咲きます。
キンカンは年に1回~3回、枝を伸ばしながら花を咲かせます。

温かいこの時期は、キンカンにとってはとても大忙しな時期です。
根と枝を伸ばし、葉を展開させ、花を咲かせて実をつけます。

株全体が生長し、実もつき始める時期でもあるので、
肥料切れにならないように与えるのが夏肥です。

時期は5月下旬~6月頃です。 
この時期は根や枝や花や実と、養分が取り合いになっている状態です。

足りない養分を補うよう、
素早く効果の出る肥料を与える必要があります。
そのため、夏肥は即効性のある化成肥料を与えましょう。


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キンカン、元気よく実りますように


■秋肥 着果した実や翌年の花芽を作る

余分な実を落とす生理落下も落ち着き、残った実が肥大する時期です。
また、秋には翌年に咲く花芽を作ります。

それが終わり、冬になり寒くなると、
落葉こそしないものの、ほとんど生育しない休眠時期となります。

夏の終わりから秋の間に実の肥大を促進し、
花芽の形成も促すのが秋肥です。

時期は暑さのおさまり始める9月~10月頃です。
冬になり、生育が止まると肥料は不要になります。

それまでの間に与えた肥料分を使い切るようにする必要があるため、
ここでは即効性のある化成肥料を与えましょう。


■葉の色が悪い時は

肥料を与えているにも関わらず、
生育期間中(5月~10月)の間に葉の色が薄くなることがあります。 

水切れや過湿、病気などが思い当たらない場合は、
肥料切れのサインである可能性があります。

即効性のある液体肥料を、
規定通りか少し薄めに作り、水の代わりに与えます。

10日~2週間に1回くらいのペースで液体肥料を様子を見ながら与え、
葉色が戻ったら与えるのをやめます。

あくまでも補助としての肥料なので、
与えすぎには十分注意しましょう。

■参考
・キンカンの育て方 庭植え|3月上旬に剪定して栽培
・キンカンの育て方 鉢植え|品種選びと防寒対策で大収穫
・キンカンの種類は?
・キンカン 実が落ちる理由は?
・キンカン 種の育て方


キンカン 植え替え時期

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鉢植えのキンカンは、2年に1回は植え替えます


■キンカン 植え替え時期

キンカンは、寒さに弱いものが多い柑橘類の中では、比較的寒さに強い方です。
そのため、暖地であれば秋に植え替えを行うことができる場合もあります。

ただし、暖かくなり始めた春に植え替えを行った方が、
その後に生育期を迎えて、しっかり根を張った状態で寒い冬に入るので安心です。

しっかりと根が張る前の状態だと、耐寒性が低いのです。
その時期に寒さに当たると、突然枯れることがあるため、
できれば春に植え替えた方が良いでしょう。

植え替えを行う時期は、少し暖かさが感じられる3月下旬~4月中旬頃です。
花付きや実付きを期待しないのであれば、6月頃まで植え替えは可能です。

・鉢植えの場合
キンカンは細かい根がよく発生するため、
鉢植えにしている場合は2年に1回は植え替えが必要になります。

植え替える時は、根鉢をほとんど触らず、
鉢のサイズを大きくする鉢増しが基本となります。

ある程度大きく育ち、これ以上鉢を大きくしたくない場合は、
根を整理して同じサイズの鉢に植え替えることもできます。

ただし、根を整理した分、回復に時間がかかります。
すでに開花・結実する株だった場合、回復に時間がかかるため、
その年の開花・結実が期待できない場合があります。


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地植えの移植は、根回しをして植え替えます


・地植えの場合
地植えにしているキンカンの植え替え(移植)も、
適期は3月下旬~4月中旬頃となります。

鉢植えにしているキンカンよりも、
根が広く張っている場合もあるため、根の処理は注意して行います。

地植えのキンカンを植え替え(移植)する場合、
掘り上げてすぐに移動というわけにはいきません。

根回しという作業を行ってからになるため、
準備に半年~1年ほどかかります。
*根回しとは、樹木の植え替え後に根の活着を良好にするために、
1~2年前に数本の根を切り取り、細い根を発生させることです。

■キンカンを植え替える時の注意点
1. 寒さを過ぎた3月下旬以降に植え替えを行う
2. 植え替え後はすぐに追肥をしない
3. 根を整理した時は、必ず地上部も剪定を行い上下のバランスをとる
4. 根付くまでは支柱を立てて倒れないようにする 

■参考
・キンカンの育て方 庭植え|3月上旬に剪定して栽培
・キンカンの育て方 鉢植え|品種選びと防寒対策で大収穫
・キンカンの種類は?
・キンカン 実が落ちる理由は?
・キンカンの肥料
・キンカン 種の育て方

キンカン 種の育て方

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キンカンを食べたら種から育ててみませんか? 


■キンカン 種の育て方

キンカンを食べた時、種なしの品種でなければ中に種が入っています。
この種を土に播き、キンカンを種から育てることは可能です。

少し時間はかかりますが、実をつけさせるのも夢ではありません。
ある程度まで育った後は、通常の株と同じ管理方法で育てることができます。
通常、7~10年くらいで結実します。

・種の採取
キンカンを生で食べた後、種を傷つけないように取り出します。
生の状態のものを包丁で切って取りだしても良いですが、
キンカンは実が小さく、包丁などで半分に切ってしまうと、
種まで切れてしまうことがあります。

できれば生食をして、口に残った種を取り出す方が、傷が少なくて済みます。
また、甘露煮など火を通してしまったキンカンの種は、
いくら形が残っていても使えません。

必ず生のキンカンから取り出すようにします。

取り出した種のキンカンは、表面のぬめりをとるようによく水洗いをします。
水洗いをした後は、キッチンペーパーなどで軽く表面の水気をふき取り、
後は陰干しをして乾燥させます。

キンカンが旬の時期と、種播きの適期にずれがあるので、
採取した種をすぐに播けない場合が多いです。

その場合は、乾燥させた種を封筒などの通気性の良い袋に入れ、
冷暗所で保管しておきます。


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この種からキンカンが実ります


・容器
種を播く時に使う容器は、3号~5号のプラスチック製のポットや、
同じ号数くらいの素焼き鉢やプラスチック製の鉢を使います。

浅い容器を使うと、根がすぐに底から出てしまいますし、
深いものだと発芽後に過湿になりやすくなるので、
一般的な深さのものを選ぶようにします。

・用土
市販されている種播き用の用土や、
バーミキュライトや小粒の赤玉土100%に種を播いても構いません。

一番簡単なのは、市販されている培養土を使うことです。
専用の土を使わないと発芽率が著しく落ちるというわけでもないので、
自宅で余ってる培養土があれば、それを使っても良いです。

・種播き
キンカンは寒さに弱く、寒い時期には発芽しません。
そのため、種播きの適期は3月~5月頃です。

用意した容器に種を播きますが、鉢を使う場合は底に鉢底石を敷いておきます。
その上から用土を8分目~9分目くらいまで入れます。

1つの容器に1粒~3粒の種を播いて土をかぶせたら、
全体が湿るように、じゅうぶん水を与えておきましょう。

・栽培環境
できるだけ日当たりの良い場所に置くようにします。
春に種を播いて発芽し、最初の冬になったら室内に取り込みます。

キンカンは少し寒さに弱く、発芽して2年目までは、
まだまだ株も小さく弱いので、寒さには要注意です。

霜が降りる頃になったら、室内に取り込みましょう。

暑さには比較的強いですが、まだ小さいうちは容器も小さく、
一日中光の当たる場所だと、すぐに土が乾燥してしまい、
水やりが1日1回では間に合わなくなってしまうことがあります。

その場合は、午後から明るい日陰になる半日陰の場所に置いて管理します。

・水やり
発芽するまでは、用土をあまり乾かないように注意します。
発芽した後は、土の表面が乾いたら水をたっぷり与えるようにします。

まだ小さい容器で育てているうちは、土の容量も少なく、乾きやすくなっています。
水切れを起こさないように注意しましょう。

・肥料
ある程度大きくなるまでは、追肥の必要はありません。
実がつくようになるまでは、3月~10月の生育期の間に、
緩効性の肥料を与えておけば十分です。

緩効性の肥料は、粒状のものでもOKですが、
玉状になっているものが、扱いやすく与え過ぎずに便利です。

肥料の種類にもよりますが、
だいたい1ヶ月~2ヶ月に1回くらいのペースで与えます。

肥料の成分は、窒素が多いものを与えていると、
枝葉ばかりが茂ってしまったり、害虫がつきやすくなったりとよくありません。
窒素・リン酸・カリが同等のものか、リン酸が少し多めのものが良いでしょう。


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花が咲くまで育ったら、もう実が収穫できるでしょう


・植え替え
育てている容器が小さくなり、容器の中で根がいっぱいになったら、
一回りか二回り大きい鉢に植え替えましょう。

容器の底から根が見えてきたり、土の表面に根が見えるようになってきたら、
根がいっぱいになっているサインですので植え替えます。
植え替えの時期は、3月~4月頃が適期です。

・冬越し
キンカンは寒さに弱いので、冬は室内に入れて管理しましょう。
室内でも、できるだけ日当たりの良い場所に置いて、よく日光浴させましょう。

冷たい風に吹かれたり、寒さに当たると、葉が落ちてしまうことがあります。
株が小さいほど、落葉によるストレスが大きくなり、枯れることが多くなります。
霜が降りる前に、必ず室内に取り入れるようにしましょう。


■病害虫

カイガラムシやハダニ、アゲハの幼虫などがつくことがあります。
特にアゲハの幼虫は、発見が遅れると葉を全部食べられ、
丸裸になってしまうことがあるので、春~秋にかけては注意が必要です。

■参考
・キンカンの育て方 庭植え|3月上旬に剪定して栽培
・キンカンの育て方 鉢植え|品種選びと防寒対策で大収穫
・キンカンの種類は?
・キンカン 実が落ちる理由は?
・キンカンの肥料

アンズの育て方 庭植え|人工授粉で結実を確実に栽培

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アンズの結実


アンズ(杏)は平安時代から日本人に親しまれてきました。
原産地の中国では、タネが漢方薬の材料として利用されています。

淡紅色の花は3月下旬に開花し、梅に次いで咲く早春を告げる花です。

果実はジャムや果実酒、ドライフルーツに加工されますが、
完熟した果実は生食してもおいしいです。



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アンズ酒は、香りが良く美味


[アンズ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
アンズは寒さに強いため、
北海道北部と東部以外の日本各地で栽培できます。
リンゴと同じように雨に弱く、やや乾燥した気候を好みます。

適切に剪定しないと大きくなりすぎるため、
あまりスペースの無い場所に植えるときは、
コンパクトに仕立てましょう。

・品種選び
アンズは自分の花粉で実をつけますが、
実つきを確実にするには人工授粉をします。

開花期が同じアンズの多品種がベストですが、
同じバラ科サクラ属の果樹である、
ウメ、スモモ、モモの花粉も利用できます。
ただし開花期が少々ずれるため、
受粉のタイミングが合わないこともあります。

品種は、目的に合わせて選びましょう。
家庭栽培向きなのは下記の4品種です。

・信州大実...大きな実をつけます
・平和...大きな花が美しく、実つきが良いです
・ゴールド・コット、ハーコット...裂果しにくく、生食・加工の両方に向きます


植え付け時期場所

・植え付け
アンズの植え付け時期は、
関東以南では12~2月頃、関東以北では3月が適期です。

根を四方によく広げ、深植えにならないように植えつけます。
周囲に溝を作り、水をたっぷりと回し入れます。
下から50~60cmあたりにある良い芽を選んで、
その上で切り返します。

・植え付け場所
湿気の多い肥沃な土地を好みますが、水はけが良いことも大切です。
日当たりと風通しの良い場所に植えつけましょう。

樹高はやや高くなるため、
庭木としては横庭や裏庭などに適しています。
コンパクトに育てても、5m四方程度のスペースが必要です。


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杏の花は形も匂いも良い


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
3本仕立ての立木仕立てが一般的です。
太い枝にウメやモモを高接ぎして楽しむこともできます。

高接ぎとは接ぎ木の一種で、
1本の樹に多くの品種の果実をならせることができます。
高接ぎの方法には、次の2種類があります。
・切り接ぎ...枝を切断して、その切り口に枝を挿します
・腹接ぎ...枝の途中に芽を接ぎます

・剪定
剪定は12月中旬~2月に行います。
アンズは2年目の枝に花を咲かせるため、
実をつけた古い枝は切って、新しい芽が伸びるのを助けます。

昨年伸びだした新梢は先端1/3ほど切り詰め、短果枝を発生させます。
まっすぐに伸びている徒長枝や、混んだ部分の枝は切り取ります。

夏(6月中旬~7月中旬)に軽く整枝します。
枝が込み合い、葉が茂ってきたら、
混みあった所を整理して風通しを良くします。
徒長枝や株の内側に向かって伸びている枝、
細く弱い枝などを取り除きます。

・施肥
アンズはあまり肥料を必要としない果実ですが、
12月に、株から50cmほど離して、
株を取り囲むように深さ20cmほどの溝を掘り、
有機質肥料などを施します。

また収穫後の7月頃に、お礼肥として液肥を施します。

・受粉
アンズの多くは自家受粉をしますが、
確実に実をならせるためには人工授粉をしたほうがよいです。
多品種のアンズの花や、モモ、スモモ、ウメなどの花を直接つけて受粉します。

摘蕾摘果
アンズの花は美しく、花も楽しめるため、
摘蕾はしなくてもかまいません。
そのかわり、開花後1ヶ月ほどたって、
実が小指の先くらいの大きさになったら摘果を行います。

1ヶ所にたくさんついているところを中心に、
小さい実や傷んだ実などを取り除き、
最終的に果実の間隔が7cmほどになるようにします。

・収穫
開花後85日くらいたち、
皮全体が黄色になった頃が収穫期です。

>>アンズの苗を見てみる

アンズの育て方 鉢植え|剪定で収穫を増やす

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アンズの豊かな実り


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アンズ、愛らしく良い香り


アンズは英語名をアプリコットといいます。

アンズは生食用では市場にあまり出回りません。
このように、なかなか売っていない果実を、
生で食べられるのが、家庭果樹栽培の醍醐味ですね。

アンズは自家受粉しますが、
ウメやモモ、スモモなどをそばに植えておくと、
さらに実つきが良くなります。

アンズの花は美しいので、
鉢植えにすると屋内で花と香りを楽しめます。


[アンズ 鉢植え育て方]

植え付け時期場所

植え付け管理
アンズの苗木は3月に植え付けます。
用土は赤玉土6:腐葉土3:川砂1の割合、
または市販の培養土が良いでしょう。

水切れには強いですが、過湿には弱いので、
乾燥気味に管理し、水は土の表面が乾燥してから、
たっぷりと水を与えます。

実がなるようになったら、1年おきに植え替えます。
植え替え時には根を1/3ほど切り詰め、
翌年は実をつけさせずに枝葉の生長を促します。


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アンズのショコラパン


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
模様木風に仕立てます。

・剪定
植え付け時は、鉢の倍の高さで切り戻し、
伸びた枝を7月頃に針金で下げます。

翌年の冬(12月~1月)、主幹と、主枝にする枝2本を残し、
その他の枝はもとから切ってしまいます。
主幹と主枝の先端は、1/3ほど切り詰めます。

実がなるようになったら1年おきに植え替え、
最終的に鉢の大きさは10号に、
樹高は鉢の高さの3倍程度となるようにします。
アンズの鉢植えは隔年結果になりやすいです。

・施肥
早春(2月)と秋(10月下旬)に、玉肥3~4個を埋め込みます。

・収穫
収穫は全体で6~10果程度になるよう、摘果します。

>>アンズの苗を見てみる

アンズの剪定方法は?

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アンズの花と実、どちらに重きをおくかで剪定が変わります


アンズは剪定の時期や方法を間違うと実がならないことがあります。
正しいアンズの剪定方法はどのような方法なのでしょうか? 


■アンズの剪定方法は?

1.アンズの性質
アンズは葉芽と花芽が別々で、新梢は葉芽から発生します。
アンズの花芽はずんぐりとした形をしています。

アンズの花芽は、前年の夏に新梢の根元に作られます。
春に新梢が伸びて根元に花芽が作られ、
冬を越して春に開花し、実をつけるというサイクルです。

アンズの花は葉が伸びる前に咲き、桜のように美しいものです。
花を楽しむのであれば、たくさん花が咲いている方が嬉しいです。

しかし、大きくて味の良いアンズの実を楽しむためには、
アンズの花は多すぎてはいけません。

アンズの剪定の方法は、
花を楽しむのか実を楽しむのかによって、
少し方法が違ってきます。

2.花を楽しむ剪定方法
アンズの花を美しく咲かせるためには、
葉がしっかりと茂り、栄養を蓄える必要があります。

花を楽しむ剪定は、12月中旬~2月に弱剪定を行います。
夏季に枝が混んでいる場合、間引き剪定を行います。

夏になるとアンズの葉がたくさん茂ってきますが、
このとき、葉を剪定しすぎないようにします。


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実が美しく、ジャムや果実酒で楽しめます


3.実を楽しむ剪定方法
アンズは10㎝程度の短い枝にたくさんの実がなります。

剪定は、短い枝をたくさん出させるようにします。

剪定時期は落葉時期の冬、12月中旬~2月がよいでしょう。
勢いよく伸びた徒長枝を根元から切り落とします。 

夏、茂りすぎている部分は、軽く間引き剪定します。

また、古い枝にも実が付きません。
3年以上たった古い枝は切り落としましょう。

4.アンズの仕立て方
アンズは高木に育ちます。

高くなりすぎてから先端を切り詰めると、樹を傷めてしまいます。
早くから、3~4m程度にとどめるように管理していくとよいでしょう。
仕立て方は、変則主幹形がむいています。


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模様木仕立て


5.鉢植えの剪定
アンズを鉢植えで育てるのであれば、樹の高さは鉢の3倍までにします。
高すぎると倒れやすくなるためです。

鉢と同じ高さで一度切り詰め、模様木仕立てにします。
その後は、徒長した枝や3年以上たった古い枝を切り落とす、
間引き剪定を落葉期に行います。

■参考
・アンズの育て方 庭植え|人工授粉で結実を確実に栽培
・アンズの育て方 鉢植え|剪定で収穫を増やす
・アンズ 実がならない

アンズ 実がならない

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アンズの実、いい香りです


■アンズ 実がならない

1.花が咲かない
アンズの実がならない理由の1つとして、
花が思うように咲かないということがあります。

花付きが悪くなる原因はいくつかありますので、
あてはまるものがある場合は、原因を解消してあげましょう。

・日照不足
アンズは日当たりの良い場所を好みます。
高い建物や壁があることで日照が制限される場所では、
花付きが悪くなることがあります。

また枝葉が茂って、枝が混んでくると部分的に日が当たりにくくなり、
株の中心部分に花が咲かなくなることがあります。

例え花が咲いて結実したとしても、日照不足により、落果することもあるので、剪定の時期に間引き剪定などをして、株の中心まで日が入るようにしておきましょう。

・剪定の問題
アンズは前年に伸びた枝から出る短い枝に花をつけます。
そのため、前年に伸びた枝を切りつめてしまうと、
花をつける枝が伸びないため、物理的に花を咲かせられない状態になります。

剪定をする時は、勢いのある徒長枝や混みすぎている場所の不要な枝、
すでに実をつけたことのある枝は根元から切ったり短く切り詰めるようにし、
花芽がつく予定の枝は、先端を軽く切り詰めるのみにしましょう。

・窒素過多
与える肥料の窒素分が多いと、枝葉ばかりが茂ってしまい、
花芽がつきにくくなることがあります。

アンズは短い枝に花芽がつきやすく、
節の間隔の広い勢いのある徒長枝には、花が咲きにくい性質があります。

窒素を多く与えると、徒長枝を多く出させてしまう原因になるので、
窒素は控え目に与えるようにしましょう。


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授粉樹があると、実がよくつきます


2.受粉不良
花は咲いても、受粉がうまくいかなければ実は育ちません。
受粉不良になる原因を把握しておきましょう。

・受粉木がない
アンズは自家受粉できる果樹ですが、
1品種だけでは受粉不良を起こす場合があります。

その場合は、育てているアンズのすぐ近くに、
受粉木を植えることで解消できます。

同じアンズの別の品種を植えるか、
ウメ・モモ・スモモを受粉木として植えることもできます。

・受粉できない
受粉木を近くに植えたとしても、
受粉の手伝いをしてくれる虫がいなければ、満足な受粉は難しいです。

ベランダなど虫のいない環境でなくても、
人工授粉をすることで受粉の成功率を上げることができます。

育てているアンズとその受粉木、それぞれの開花期がずれている場合は、
先に開花した花粉をビニール袋などに入れ、冷蔵庫で保存することができます。

アンズの花が咲いたら、袋の中の花粉を筆などにつけて人工受粉を行います。

■参考
・アンズの育て方 庭植え|人工授粉で結実を確実に栽培
・アンズの育て方 鉢植え|剪定で収穫を増やす

モモの育て方 庭植え|仕立て方と剪定で糖度アップ!

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モモ、マメな手入れで大収穫


モモ(桃)は、「たのしいひな祭り」の歌詞にもあるように、
早春に愛らしい花を咲かせる果樹です。

果皮に毛が生えているものをモモ、
毛が生えてないものをネクタリンと2種類に分けています。

さらに、果肉の色によっても分けられます。
果肉が白い白肉種と、果肉が黄色い黄肉種があります。
ネクタリンには黄肉種が多いです。

寒さに強く、休眠期にはマイナス15度の、
低温にも耐えることができます。
ただし、甘い果実を作るには、
東北地方中部より南の地方のほうが適しています。
品種を選べば、甘いモモも栽培できます。


[モモ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
モモは寒さに強いですが、
開花以降に霜の害を受けると、実をつけにくくなります。

実が大きくなる7~8月に十分な日当たりが得られないと、
糖度が上がらず甘くなりません。
そのため栽培の最適地は、東北地方中部以南となります。

また、一定の低温期間のあとに気温が上がり始めることにより、
休眠から目覚めるので、冬に寒くならない地方では、
生育があまりよくありません。

果実が大きくなる7月~8月に雨が少なく、
日当たりが良い地域で、昼夜の温度差が少ない場所が最適です。

・品種選び
モモの品種には、早生から晩生種までいろいろありますが、
果実が大きくなる時期と梅雨が重ならないようにします。
雨に多くあたると実が落ちてしまうので、
ご自分の住む地域の梅雨の時期と、
果実の肥大期が重ならないようにしましょう。

多くのモモは自家受粉しますが、自家受粉しないモモもあります。
自家受粉しない「白桃」「浅間白桃」などを栽培するときは、
花粉の多い「白鳳」「あかつき」などを一緒に植えます。


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西王母(セイオウボ)の花


植え付け時期場所

・植え付け
苗木は12月~3月に植え付けます。
暖かい地方では秋の遅い時期に、
寒い地方では早春に植えつけたほうが良いでしょう。

モモは根の過湿を嫌うので、
植え付けの1~2ヶ月前に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、
水はけの良い土を作っておきます。

傷んだ根や太い根を切り戻し、
根を広げるようにして浅植えにします。

・植え付け場所
モモの根は過湿に弱いので、水はけが良く、
空気を多く含んだ砂礫層(小石や砂が混じった土壌)を好みます。
また耐陰性が弱く、日陰では枝が枯れやすく、実もつかないため、
日当たりの良い場所を選びます。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
モモは日当たりを非常に好み、日が当たらないと枝が枯れてしまいます。
Y字形の立木仕立て(開心自然形)が一般的ですが、
植え付け時に苗木を70度くらいに傾けて植えると、
全体の日当たりも良くなり、さらにコンパクトに仕立てることができます。

・剪定
モモの剪定は、12月~2月と6月頃の2回行います。

冬の剪定では、混みあった部分の枝や徒長枝は間引き、
樹の内部まで日が当たるようにします。
残した枝は、先端に葉芽が2~3目残るように切り返します。
10cm以下の短果枝には良い実がつきにくいので、
剪定をするときは、中・長果枝を作るようにします。

3年以上の枝からは新芽が出にくいので、
必ず1~2年枝を残すようにします。

6月の剪定では、混みあった部分を剪定し、
果樹の内部、特に果実付近の葉に、
日光が良くあたるようにします。

・施肥
モモは肥料を吸収する力が強いため、
あまり肥料を施す必要はありません。
大事にしすぎて肥料を与えすぎると、
逆に花芽がつかず、実がなりにくくなってしまいます。

収穫後の9月に速効性の化成肥料を、
12月に有機質肥料を与える程度でよいです。

・受粉
ほとんどの品種は自家受粉しますが、
白桃系の桃には花粉がないため、
他の品種の花粉を人工授粉させる必要があります。

人工授粉は、花粉の多い品種の花を、
花粉のない品種のめしべにつけて行います。
5分咲きの時と、満開のときの2回行うと良いでしょう。
人工授粉は、モモの花粉だけでなく、
アンズやウメ、花モモの花粉でも可能です。


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モモ、甘くてみずみずしい


摘蕾摘果
モモは花を多くつけますが、半数以上が自然に落果します。
また、実の数が多すぎると、果実が大きくならず、
樹も弱くなって翌年の花芽が育ちにくくなるため、
摘蕾と摘果を行います。

まず、開花前の3月中旬~下旬に、
長・中果枝についた蕾のうち、
枝の上面にあるものを指でなでるようにして取り除きます。
果実は、下側に育てた方が良く育つので、枝の下面のつぼみは残します。

結実後の摘果は、2回に分けて行います。
1回目の摘果は開花から1ヶ月後に行い、
やや多めに果実を残しておきます。

2回目の摘果は5月中旬~下旬に行い、
最終的に結果枝15~20cm間隔に1果を目安に残します。
10cm以下の短果枝では4~5本に1果程度にします。

・袋かけ
モモノゴマダラメイガやシンクイムシ類などの被害を防ぐため、
摘果したらすぐに袋かけをします。

ただし、袋をかけると、無袋で育てた場合よりも糖度が落ちます。
無袋で栽培する場合は、収穫時期の比較的早い、
ちよひめや、日川白鳳などの品種を選ぶと良いでしょう。

・収穫
7月~8月に収穫します。
袋の底を少し破ってみて、果実全体が乳白色になり、
果頂部に赤みが差してきたら袋をはずします。
白桃系は2週間、その他のモモは1週間ほど日光に当てて着色させ、
十分に熟してよい香りがしてきたら収穫をします。

>>モモ(桃)の苗を見てみる


モモの育て方 鉢植え|完熟モモは自家栽培のおいしさ

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モモが育っていくのは嬉しい


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モモの花も楽しめる


モモは、果皮に毛が生えていて、
毛が生えていないネクタリンと栽培方法は、全く同じです。

モモは乾燥には強いですが、過湿には弱いので、
水はけの良い土に植えるのがコツです。

モモは完熟するとたいへん軟らかく傷みやすく、
流通に耐えられないので、完熟モモは市販されていません。
完熟したモモを口にできるのは自家栽培された方の特権です。


[モモ 鉢植え育て方]

植え付け時期場所

・植え付けと管理
落葉期の12月~3月ごろに植え付けます。
矮性種でも6~8号鉢、できれば10号鉢の大き目の鉢に植えます。

モモは過湿に弱いので、水はけを良くするため、
鉢底ネットを敷き、鹿沼土の大粒を敷いてから植えつけます。

深植えにならないように気をつけて植え付け、
鉢の倍の高さで切り戻します。
鉢は日当たりの良い場所に置きます。

表面の土が乾いたら、たっぷり水やりをします。
過湿には気をつけますが、夏は朝夕2回水やりをします。

収穫ができるようになったら、毎年植え替えをします。


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ナツオトメの苗木


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
新梢が柔らかい6月~7月に、
シュロ縄や細竹で枝を広げ、模様木風に仕立てます。

・剪定
1年に2回、夏と冬に剪定をします。

夏の剪定は6月頃に行います。
込みあった枝葉を整理して、
木の内部にまで日が入るようにします。

冬の剪定は、1月~2月に行います。
前年に伸びた枝の元の近くに花芽と葉芽ができます。

モモは、3年以上たった古い枝からは新芽が出にくいので、
剪定の際は1~2年枝を残すように剪定をします。
また、花芽だけの枝は枯れてしまうので、葉芽を2~3個残すようにします。

・施肥
植え付け1ヵ月後に、玉肥を3~4個埋め込みます。
その後は毎年、春(3月)と花後(4月下旬)、
8月下旬の年に3回、玉肥を3~4個埋め込みます。

・摘果
5月中旬ごろ、長さ10cmの1枝に1果が残るように摘果します。
6月になったら、鉢全体で3個ぐらい、
矮性種なら鉢全体で5果を目安に、さらに摘果をします。

・袋かけ
摘果をしたら、すぐに袋かけを行います。
袋かけは病害虫の予防と果実の表面を保護するために行います。
リンゴやナシと違い、モモは果梗が短いので、袋は枝に止めます。
袋には、果実が呼吸できるように、小さな穴を開けて起きます。

・除袋と収穫
袋をかけてから60~80日くらいが収穫の目安です。
実が大きくなって緑色が薄くなってきたら、袋を取って光を当てます。

色づいてきて、香りが良くなってきたら、
朝の気温が低いうちに収穫します。

>>モモ(桃)の苗を見てみる

リンゴの育て方 庭植え1|収穫量アップと栽培ポイント

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リンゴの結実


リンゴ(林檎)は、旧約聖書のアダムとイブでおなじみの通り、
古くから食用として利用されてきました。
一説では、ヨーロッパでは4000年以上前から
栽培していたとされています。

皮の色により、赤リンゴと青リンゴに分けられます。
違いは果皮の色だけで、栄養成分や、
ポリフェノールなどの身体に有用な
機能性成分などには差がありません。

「蜜」入りのリンゴの「蜜」は、葉で作られたでんぷんが、
糖の一種のソルビトールに変化し、
リンゴの果実にいっぱいにつまった結果、
細胞と細胞の隙間にあふれ出た状態です。

ソルビトール自体は砂糖ほど甘くないので、
蜜が入っているからといって特に甘いというわけではないのですが、
蜜が入る条件は、おいしいリンゴができる条件と重なりますので、
おいしいリンゴの目安になります。

ただし、蜜が入りやすいリンゴと
そうでないリンゴがありますので、
あまり蜜入りにこだわらない方がいいかもしれませんね。


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リンゴの花


[リンゴ栽培のポイント]

リンゴは、1つの芽の中に花になる元と、枝葉になる元と、
2つの組織が一緒に入っています。

1年目、枝が伸びます。
2年目、わき芽が伸び、花芽になります。
そしてわずかに伸びた短果枝の先端に、次の年に咲く花芽がつきます。
3年目に花が咲き、実をつけます。

リンゴ栽培のポイントは、花芽をつける短果枝を多くすることです。


[ガーデニングへの応用]

リンゴは多彩な仕立て方ができます。

コンパクトな鉢植えにも仕立てられるので、
可憐な花や美しい実を楽しむ観葉植物として、
お部屋のアクセントにもできます。

また、立木仕立てにすると、樹高があるので、
メインの樹木として十分存在感を発揮できます。
トレリス仕立てにすれば、背景や垣根代わりにも利用できます。

>>次ページへ続く

>>リンゴの苗をみてみる

リンゴの育て方 庭植え2|摘蕾・摘果で果実を大きく

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青いリンゴ


[リンゴ 庭植えの育て方]
栽培条件品種選び方

・栽培条件
寒さに強く、冷涼で、夏に雨の少ない気候を好みます。
暖かい地域でも栽培できますが、
7度以下の低温に長期間当てないと、
春にうまく発芽しなかったり、花が開かない場合があります。
一年中温暖な場所には不向きです。

北海道中部以南から、鹿児島県以北にかけて栽培できます。

開花期は強風に当てないようにします。
風の強い地域では、暴風対策が必要です。

・品種選び
リンゴは自分の花粉では実をつけにくいので、
2種類以上の品種を混ぜて植えて、受粉させる必要があります。
開花期を合わせることと、
品種同士の相性の良いものを選ぶことがポイントです。

つがる、紅玉、王林、ゴールデンデリシャス、ふじ、
などが栽培しやすいです。
暖かい地方では、果実が扁平になりやすいので、
晩生種の王林やふじを選ぶと良いでしょう。


植え付け時期場所

・植え付け
年に2回、発芽前の3月中旬と、
11月下旬~12月上旬が植え付けの適期です。
自然に、生長すると7mほどになるため、
コンパクトに栽培したい場合は、矮性の苗を購入します。

リンゴは乾燥に弱い樹木です。
特に矮性種は細い根が多く、
ほんの少しの乾燥でも根が弱ってしまいます。
植え付けのときは根を乾かさないように注意します。
また、植えつけた後は、敷きわらなどをして根を乾燥させないようにします。

・植え付け場所
リンゴは7mほどに育つので、
庭の隅の日当たりの良い場所に植えつけます。
矮性種の場合は、2m四方の広さがあれば十分です。
立木仕立てで大きな樹形にする場合は、
5m四方ほどの広さが必要となります。

水持ちと水はけの良い土を好むので、
あらかじめ腐葉土を混ぜておきます。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方と剪定
リンゴは、仕立て方次第で大きな樹形にも、
コンパクトにもできます。
立木仕立てが一般的です。

矮性種なら、トレリスと呼ばれるフェンスに添わせる、
トレリス仕立てもできます。
コンクリートブロックなどで根が広がるのを制限したら、
とてもコンパクトな株に育てることも可能です。

リンゴの剪定は、夏と冬の2回行います。

夏の剪定は、6~7月頃、徒長枝を先端や中間付近で切り戻します。
このとき、2~3芽残して剪定すると、冬には花芽が出ます。
枝が込み合っている部分は、根元から切ります。
株の内部の日当たりや、風通しが良くなるように剪定します。
切った後に再び出てくる芽は、早めに摘み取ってしまいます。

冬の剪定は、12~2月に行いますが、
植え付けから3年目までは剪定は行いません。
4年目以降、主幹や側枝の先端部分をカットします。
また、古くなった枝や、重なり合った枝も剪定します。


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人気の富士、花と実


■仕立て方とそれぞれの剪定

・自然樹形仕立て
自然樹形の仕立て方は、植え付け時に高さ70~80cmで切り返します。
2~3年目は先端部の枝だけを少し切り返しながら、
主幹をどんどん成長させます。
4~5年たって高さが2~3mになったら、主枝を3~4本残して切り、
主枝を生長させて果実を慣らせるようにします。
自然樹形の場合、夏の剪定は行いません。
冬の剪定では、混みあった枝を間引き、
徒長した枝を切り返して樹形を整えます。

・無剪定立木仕立て
冬は軽く剪定する程度にとどめます。
夏の剪定時に、混みあった部分を切り戻し、
風通しや日当たりを良くします。

・トレリス仕立て
植え付け時に高さ70~80cmで切り戻し、
側枝を60cmの位置から伸ばすようにします。

1年目には、先端から伸びる3本の強い枝のうち、
主幹とする1本を残して切り落とします。

下枝は、主幹の半分より太い枝を切り落とし、
細い枝を残して育てます。
2年目は、1年目同様切り口から出た枝を、
1本だけ残して切り落とします。
側枝も1年目と同じように切り、残った細い枝を、
地面に対し30度ほどの角度になるように引き下げて誘引します。

3年目以降は、高さ3m位の、平たい紡錘型の樹形になります。
4年目以降の剪定は、基本の剪定同様、
徒長枝を強く切り戻し、花芽をつけます。
トレリス仕立ての場合、夏に強く勢いのある新梢を剪定して、
樹勢が弱め、樹形を乱さず育てることが出来ます。
冬も、基本の剪定どおり、主幹や側枝の先端部を剪定します。

・施肥
リンゴの木は、花をつけるようになるまでは、
肥料はほとんど必要ありません。
果実が実るようになったら、収穫後の12月に、
1平方メートルあたり100~150gの化成肥料を施します。

・摘蕾・摘果
花芽からは4~6個の花が咲きますが、
一番早く咲く真ん中の花だけを残し、
他の花は摘んでしまいます。

また、リンゴは果実が大きくなるので、
実をつける短果枝の間隔も広く取ります。
実がつき始めてから30日程度たったら、
大玉の品種なら、4~5短果枝に1果、
中玉なら3短果枝に1果程度になるよう摘果します。

・袋かけ
実を観賞するなら、特に袋かけはしなくても良いです。
袋かけは、さび病や吸汁害虫などの防止や、色を良くするためにかけます。
袋かけをするなら、6月中旬までに、摘果をしたらすぐにかけます。
袋は、収穫の1ヶ月くらい前に行います。
日やけをふせぐため、曇りの日か、午後に袋をはずします。

・収穫
きれいに色ずいた果実から収穫していきます。
はじめに日当たりの良い場所にあるものから収穫していくと良いでしょう。
>>リンゴの育て方 庭植え1|収穫量アップと栽培ポイント
>>リンゴの苗をみてみる

リンゴの育て方 鉢植え|適切な摘果と栽培で高収穫

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リンゴ畑


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リンゴ鉢植えで結実
写真とリンゴ苗=花ひろばオンライン


リンゴは石器時代から食用にされていて、
世界中で愛されている果物です。

生で食べるだけでなく、ジャムやコンポート、
焼きリンゴやケーキに使用したりと、
スイーツではおなじみの素材です。

料理でも、サラダや漬物に利用されたり、
豚肉を焼くときにすりおろしリンゴをかけたりと、
意外と出番の多い果物です。

リンゴは整腸作用があり、
強い抗酸化作用を持つポリフェノールを多く含んでいます。
「りんごが赤くなると、医者が青くなる」ということわざどおり、
昔から医者いらずといわれる健康食品です。


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リンゴ、津軽の花


[リンゴ 鉢植えの育て方]
植え付け時期場所

・植え付けと管理
リンゴを鉢植えで育てるときは、矮性台木の苗を購入します。
アルプス乙女などのミニリンゴを育てても良いでしょう。

3月、8~10号鉢に植えます。
水はけの良い土を使用します。
日当たりと、風通しの良い場所に置きましょう。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
幹が左右に曲線を描くように曲がっている模様木風か、
スタンダード仕立てが良いでしょう。

1つの花房に5個以上の花が咲きますが、
中心の1つを除いて他のつぼみは取ってしまいます。

花が咲いたら、3日以内に、他の品種の花粉を受粉させます。
デリシャス系や、紅玉、つがるなどが良いでしょう。

実がついたら、葉の数が少ない場所に生っている実を取ります。
最終的に1株に2~3果、小果品種なら5~10果を目安に摘果します。

・剪定
1月~2月に、不要な枝を間引いたり、
太く長く伸びた強い枝を根元から切ったり、
10~20cm切り戻したりします。

株元から伸びるヒコバエや、樹形を乱す枝も生え際で切ります。
できるだけ花芽を残すと良いでしょう。

6月~7月上旬の剪定では、内部までよく光が入り込むように、
混みあった部分を剪定します。

・水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
水切れになると、葉焼けを起こすことがあるので、
春から夏にかけては晴れた日が続いたら毎日水やりをしましょう。

実が収穫できるようになったら、根詰まりを起こさないように、
1年おきに一回り大きな鉢に植え替えます。

・施肥
植え付けたら、1ヵ月後に玉肥3~4個を施します。
毎年1月~2月に寒肥、花が終わったらお礼肥、
8月下旬には追肥を施します。

>>リンゴの苗をみてみる

マルメロの育て方 庭植え|袋かけで害虫被害抑えて

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マルメロの果実、芳香を放つ


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マルメロの花


マルメロ(Cydonia oblonga)とカリン。
果実がよく似ているので混同されがちですが、
マルメロはヨーロッパ原産で、カリンは中国原産です。

マルメロの果実は綿毛が生えていて、
カリンには毛がないことで区別できます。

マルメロとカリンの育て方は似ていますが、
カリンは自分の花粉で受粉しますが、
マルメロは自家結実性が弱いため、
収穫を確実にするには多品種の受粉樹が必要となります。

マルメロの果実は固いため生食できませんが、
果実酒や、ジャムやゼリーなどに加工されています。
カリン同様に、咳止めなどに効果があるとされています。


[マルメロ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
マルメロは寒さに強く丈夫で、
リンゴ同様に雨が少なく、夏涼しい気候を好みます。
暖かい地方では、樹や果実の育ちが悪くなってしまいます。

・品種選び
スミルナ、チャンピオン、オレンジなどの品種がお勧めです。
自分の花粉だけでは実をつけにくいので、
多品種を混植して人工授粉が必要です。


植え付け時期場所

・植え付け
接ぎ木の部分がしっかりしている苗を選び、
3月頃に植えつけます。

直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、
掘りあげた土の半分くらいの量に、
腐葉土または堆肥と油かすを混ぜて埋め戻します。
その上に何も混ぜていない土を埋め戻してから、
根を広げて植えつけます。

植えつけたら水をたっぷり与え、
50~60cmの高さで切り戻します。

・植え付け場所
日当たりがよく、水はけのよい場所に植えつけましょう。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
主幹形仕立てが一般的ですが、
マルメロは枝が広がりやすいので、U字形仕立ても行われています。
U字形仕立ては、主枝2本を左右に分けて、U字形に誘引します。

・剪定
剪定は1月~3月上旬に行います。
混んだ部分や下枝は元から切ります。

古い枝も元から切り、新しい枝に更新します。
新梢の先端は切り詰めます。
花芽をつけた結果枝も、先端を切り詰めます。

マルメロの花芽は新梢の先につき、
翌年に花が咲き、実をつけます。

・施肥
1月~2月、5月下旬、8月下旬に、
それぞれ緩効性化成肥料を施します。
多肥にならないように注意します。

・人工授粉
マルメロは、自分の花粉だけでは実をつけにくいので、
多品種の花粉で人工授粉をして収穫を確実にするとよいでしょう。

・袋かけ
6月下旬までに袋かけをします。
無袋栽培もできますが、袋かけによって、
シンクイムシの被害を減らすことができます。


Cydonia oblongaD.jpg
マルメロの蜂蜜漬け


・収穫
果実が緑色から黄色に変わり、
独特のよい香りがするようになったら収穫できます。
収穫は、植え付けから4~5年を目標とします。

>>マルメロの苗を見てみる

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